獣医師日記

最近えげつない手術が多く(いまどきに言えばはんぱない手術でしょうか(>_<))、なかなかブログで紹介できるような患者さんがいないのが悩みの種でした。
が、手術依頼症例で先週無事にフォローアップになった患者さんがいらっしゃったので紹介します。
右太ももにできた軟部組織肉腫です!長さは13㎝、厚みは8㎝ぐらいあります!
(ちなみに術後重さを測ったら500gありました…..)

がんばってコレを摘出していきます。
ちなみにここまでがんが大きくなるには当然、がんに栄養を運んでいた動脈がおっきく発達しているわけで、当たり前ですが大量の術中出血が予想されます(>_<)
今回も当たり前ですがものすごく出血しました。いつもの手術画像の3倍は出てますので、血が苦手な方はけっして手術画像をみないようにお願いします!

切る端からドーッと流れてくるので、切開、止血、切開、止血の無限ループになります。
ちなみに一番大きいがんの栄養血管(動脈)は、いちばん真下にありました。がんを全部摘出しない限り止血できないパターンです。
モノポーラーの電気メス、バイポーラーの電気メス、止血鉗子、ガーゼを駆使しながらの手術になります。出血が止まらない時の佐伯教授もこんな思いをされとったんでしょうねえ
(いつまでブラックぺアンを引きずっているのだ)

摘出後の画像です。

画像で見てもガーゼ類が恐ろしい程血に染まってますね。
ちなみに止血鉗子で止めているのが動脈です。ちゃんと結紮してぺアンは残してませんのでご心配なく<`~´>

これだけのがんを摘出すれば当然、術後の皮下しょう液も大量に出ます。
術後10日ほどは液の排出がたいへんな状態でしたが、3週間後の全抜糸の時にはたいへん綺麗になりました!良かったです。

今回のがんはいろいろ事情があって、発生から1年以上経過しての手術でしたが、ここまでの大きさにも関わらず軟部組織肉腫グレード1という遠隔転移の少ないタイプでした。以前は血管周皮腫とか神経鞘腫とか言われていたがんにあたります。
マージンプラス(手術によるがんの取り残し)があるとそこからまた再発してきやすいタイプなので、小さいうちになるべく大きく切除するのが根治への一番の近道になります。

また腫瘍の細胞診でも診断がつきにくいタイプで、(脂肪腫との区別はつきますが)炎症との区別がつきにくいので、どんな腫瘍でも最初小さかったのに1センチを超えて大きくなってきたら、もしくは最初見つけたときの大きさから1センチ大きくなったら必ず獣医師に診てもらうことをおすすめします。

できればこのヒトのお世話にはなりたくない(>_<)

フルフル

 

皆さんは医療ドラマはよくみられますか?
私はあまりドラマは観ないのですが、白い巨塔(唐沢さんと江口さんの出演していたやつ) A LIFE  医龍 ドクターXは観ていました(とくに後半ふたつは原作の漫画をよく読んでいたので、ドラマ化をとても楽しみにしていました)

今週末で最終回にはなってしまいますが、日曜日のブラックぺアンもとても楽しみに毎週見てます!

 ↑上の高階先生の手術画像ですが、左側に心臓のイメージが映し出されているのがお分かりですか?
外科の先生って、CTやレントゲン、エコーで検査した画像を総合して頭の中で組み立てて、それをもとに手術するべき箇所やそこまでのアプローチをシュミレーションしながら手術してるんだよっていうのが良く分かる映像です。

またドラマのあちこちでお医者さんたちが一所懸命勉強したり、論文調べたり、手術のシュミレーションしていたり、手術用糸を結紮練習したのが椅子の背に無数に結ばれていたり、壁一面に貼られた手術計画書を見ると頑張ってるなあ、とても!!って共感します。

あくまでドラマはフィクションで作りものなのですが、その中で目の前の患者さん、未来の患者さんを救おうと懸命になっている姿はたいへん尊いものです(^。^)y-.。o○

 

まったくもって余談ですが、渡海先生役の嵐の二宮さんの演技は本当にすごいですね(゜o゜)

左利きと伺ってますが、ドラマの中での役は右手で手術されていました。
私が左手で結紮や縫合ができるようになるまでには何年練習しないといけないことでしょう(;一_一)

私はジャニーズファンではないのですが、二宮さんの演技はとても素晴らしいのでよく注目してます。ちなみに私の中での二宮さんの二番目に好きな役が今回のブラックぺアンの渡海先生♡で、いちばん好きな役が

 ↓ 映画『暗殺教室』のコロ先生です♡ (とても同一人物には見えない(>_<)

フルフル

最近雨ばっかりで憂鬱な日が続きますが、お休みの日はもっぱら猫とお家で引きこもってる柘植です。

はやく夏がきてほしいものです。

 

さて今回はネコちゃんのおしっこの病気についてお話します。

猫を飼っている方の中で

『あれ?今日のトイレはやけに長いな』『さっきもトイレにいったのに、またトイレにいってるぞ?』そんなふうに思ったことはありませんか?

 

慌ててトイレの中をみたら、おしっこがちょっとしかでていなかったり、血尿であったり、そんなことを経験された方も少なくないはずです。

猫のおしっこの病気にはさまざまな原因が考えられ、おおきくわけて以下の5つに分類されます。➊感染症 ❷尿石症 ❸腫瘍性疾患 ❹先天性疾患 ❺ 1~4にあてはまらない血尿や排尿困難 

実は、猫の下部尿路疾患において❺が全体の60%をしめているともいわれており、最近ではFIC:Feline Urologic Syndrome 特発性膀胱炎といわれています。

今日はこの猫の特発性膀胱炎についは少しお話をします。

 

特発性という言葉が示す通り、原因は不明といわれています。しかし、ここ最近ではこの病気に対する研究も進みいくつかの可能性が示唆されるようになってきました。

膀胱粘膜の機能障害、免疫学的な原因、そしてストレスとの関連性。

特に音に敏感な猫はFICになりやすいともいわれています。ここで考えてみてください。ご自分の猫はどんなことが苦手でしょうか?ストレスを感じていそうですか?ほかの猫と比較して何かに敏感だったりしませんか?

 

FICの主な症状としては、頻尿、不適切な場所での排尿、排尿痛、血尿などです。特に、男の子は尿道内にタンパク質の塊(尿道栓子といいます)ができてしまい、おしっこが全くだせなくなることがあります。おしっこがだせなくなるというのは、とても大変なことです。単なる膀胱炎と思われるかもしれませんが、命にかかわります。

 

治療としては、まず原因となるストレスの除去です。

 

原因となるストレスの除去、環境の改善とともに、飲水量の増加、内科治療(痛み止め、抗不安薬、抗痙攣薬etc….)、食事の変更などを行っていく必要があります。(詳しくは獣医師に)

 

今回、ご紹介した特発性膀胱炎(FIC)ですが、特効薬もなく、治療は長期にわたりさらに再発もよく認められる、いやーな病気です。症状にも気づきにくく、重症化すると命にかかわります。治療においては、原因となっているストレスが何なのかを飼い主様が把握することがカギです。治った後も、『治ったから大丈夫!』ではなく、猫が少しでもストレスを感じないような環境づくりをしっかり考えていきましょう。気になることがあれば、気軽にスタッフにお尋ねください。

 

1日1回はペットシーツの確認をするようにこころがけています。

本人はのぞかれて不服そうですが・・・・・

(1歳 ♂ おび)

 

獣医師 柘植

こんにちは!
獣医師の池田です(^^)

前回は女の子の避妊手術についてお話したので、 今回は去勢手術についてお話します。

 


〇去勢手術ってどんな手術なの?
陰嚢(精巣が入っている袋)から精巣を取り除く手術です。

〇去勢手術すると何がいいの?
精巣の病気や精巣で作られる男性ホルモンが引き起こす病気を予防することができます。


〇避妊手術のように早いうちからした方がいいの?
精巣が原因となる病気の発症は多くが中高齢です。そのため、若いうちに手術をしてあげるのが理想的です。

〇傷口はどれくらい?
わんちゃんの場合は大きさによりますが、1.5cm~4cm、ねこちゃんの場合は1.5cm程です。

〇手術のあとの過ごし方は?
基本的には女の子と同じですが、男の子の場合はお腹を開ける手術ではないため、手術の当日におうちに帰れます。
おうちではお洋服もしくはカラー(男の子の猫ちゃんはカラーのみになります)をつけてもらい、術後10日程で抜糸になります。

基本的には以上のような流れで去勢手術は進めていきます(^^)
例外的に一部のワンちゃんでは成長しても陰嚢に精巣が降りてこない潜在精巣(陰嚢)が見られる子がいます。その子達はまた違う手術方式になります。詳しくは[当院で出来ること]の去勢手術に関する欄をご覧ください。

女の子の避妊手術と同様、一生に一回の手術です。今後のことも視野に入れ、一緒に考えていきましょう(^^)

 

獣医師 池田

今年もフィラリア予防の季節が来ましたね。

まだ、予防を開始していない方にはしっかり予防しよう。と思ってもらえるように。

もうすでに予防を開始している方には復習の意味を含めて簡単にまとめます。↓

【フィラリア】

正式名称で犬糸状虫といい、犬科の動物の他に猫や牛などにも寄生が確認されています。名前の通り糸状の長細い形態をしており、最終寄生部位は心臓、特に右心室や肺動脈と呼ばれる場所に寄生します。

【症状】

元気食欲の低下、咳、血尿(正式には血尿ではなく血色素尿といい赤ワイン色)、腹水の貯留など多岐に渡ります。フィラリア症の症状は、少ない数の寄生でも死に至る場合(以下に説明)や、たくさん寄生している場合でも症状がでないケースなど様々です。

また、フィラリア症の一番怖いケースは大静脈症候群(vena caval syndrome)と呼ばれるもので、右心室・肺動脈に住みつく成虫が右心房に移動すると起こる症状で、循環不全に伴う急激な元気食欲低下(虚脱状態)、腹水貯留、呼吸促拍などがおこります。

この状態まで陥ると、手術による虫体の摘出(アリゲーター鉗子という特殊器具を使います)しか方法がありませんが、麻酔リスクが非常に高いことなどにより周術期に亡くなってしまう可能性がかなり高いため、難しいケースが多いのが現状です。

 

これらの症状にならないためにも、予防が必要になります。予防にあたって、初めに感染の有無を調べる必要があります。仮に感染していた場合、予防薬を投与すると虫体の死滅により肺に虫体が詰まってしまったり(塞栓症)、ショック症状に陥ることがあります。ここでいう予防薬とは、フィラリア幼虫に対する治療薬(抗寄生虫薬)にあたり、蚊に刺されることで侵入してきたフィラリア幼虫を殺虫するためのお薬で、成虫にさせないことが目的です。

 

この予防薬も侵入後1ヶ月以上たつと幼虫に対しての効果が認められなくなるため、予防が1ヶ月以上抜けてしまった方には次年度成虫の有無を確認する必要があります。

 

フィラリアは予防を抜け目なくしっかりしていれば感染しない病気とされているので、室内外問わず、しっかり予防していきましょう。

 

また、猫のフィラリア症も多数報告されています。犬と違い血尿などの特徴的な症状がありませんが、HARD(犬糸状虫関連呼吸器症候群)と呼ばれる病気があり、猫喘息と症状が類似しているといわれています。猫の場合、成虫になり心臓にすみつく割合が犬と比べてかなり低いことと、検査キットによる検出が一般的でないため、感染しているかどうかの確認は難しいのですが、犬同様に感染してしまい、症状が強く出ると死に至る場合も多いです。

 

そのため、猫ちゃんにおいても予防の意識をしっかりもち、毎年の予防を心がけるようにお願いいたします。  獣医師 大塚

皆さんはアロぺジアXという脱毛症をご存じでしょうか?

いろいろな犬種に発症しますが、おもに中高齢のポメラニアンちゃんが多く、顔、手足の先端以外の毛がまるで洗いざらしの毛布のようにボソボソになったり、サマーカット後に毛が生えてこなかったり、進行すると地肌が見えるほど脱毛してしまう疾患です。
命にかかわることはないのですが、ほぼ治らないとされてきた脱毛症だけに飼い主さん、獣医師を悩ませる疾患のひとつといえます。

原因は女性ホルモン、男性ホルモン、甲状腺ホルモンや副腎ホルモン成長ホルモンなどの異常と諸説ありますが、いまだにホントの原因は解明されてません。そのため、治療も上記のホルモン失調の治療の他に、発毛を促すメラトニンや人間の円形脱毛症のお薬を使ったりしますが、効果的な治療が無いのが現状でした。

が、しかし、最近導入した抗酸化成分配合のサプリメントで2か月で見事に発毛☆した患者さんがいらっしゃいましたのでご紹介します。

患者さんはシニアのポメちゃん。
肺と胆嚢疾患があり、甲状腺機能低下症もあるので数年治療させていただいてます。
画像のようにお顔の毛はフサフサですが、首から下の毛が脱毛、生えている場所でもぱさぱさです。

 

そして左が治療前、右が治療後の画像です。

 

ちいさい画像ではわかりにくいかもしれませんが、首の毛のところをクローズアップしてみると、黒ずんで脱毛していた地肌が健康的なうすピンクになり、嬉しいぐらい密に毛が生えてきてます!

持病の肺や胆嚢への悪影響もなく、飼い主さんにもたいへん喜んでいただけました。でもまだお尻のところの毛が薄いのでこれからも治療継続していく予定です。

ちなみにこのサプリメントはネットでは販売されてませんでしたので、気になる方は主治医の先生に相談されてみてください(^o^)/

フルフル

うちの子は5月始めに狂犬病予防接種をしたのですが、住んでいる場所が水巻ではなく八幡西区なので、黒崎コムシティ区役所に届けを出しに行ってきました!(ちなみに狂犬病担当の部署は6階の保健所です)

犬シールと一緒に済票頂きました♡

 

 

ちなみにこちらは実家で飼っていた柴の梨花ちゃんの15歳の時の狂犬病予防注射済票とお守り♡
済票の形は地域によっていろいろ違うのですが、実家の筑後市ではこのボーン型を採用しているようです。

 

ちなみに今月初めにブログで報告させていただいたタイでの狂犬病流行ですが、5月21日現在で人間の感染者9名、犬805頭、牛66頭、猫33頭に増えたそうです。路上の野良犬たちを保護して6月に届く予定の狂犬病ワクチンを接種するのを待っている状態と記事には書かれていましたので、狂犬病のワクチンがタイ国内では不足している厳しい事態なのではと考えられます(ToT)

去年のタイでの狂犬病死亡者は11名(感染した方は全員死亡)だったそうなので、これ以上の災禍が拡がらないことを祈るばかりです。

伝染病の流行阻止には集団免疫という考え方があって、感染する動物の7割程度ににワクチンなどで抗体を作っておくと流行を阻止できると考えられています。
過去日本で狂犬病伝染のいちばんの原因は、感染発症して狂乱状態になった犬からの咬傷だったので、日本では過去の災禍を繰り返さないために法律でわんちゃんへの狂犬病予防接種が義務付けられています。

ですが、超高齢であったり持病があったり、またワクチンアレルギーなどで接種することができないわんちゃんもたくさんいます。
健康で、ワクチンアレルギーでないわんちゃんはできれば狂犬病予防に協力していただきたいと望んでいます。

フルフル

GW終わっちゃいましたね(>_<)皆様はいかがお過ごしだったでしょうか。

フルサワは事情があってGW遠出できず、もちろんこのひと↓も巻き添えで遊びにつれていけなかったので、気分転換に自分の出勤日にパルに同伴出勤してきました。
そしてついでに狂犬病予防注射接種も(^o^)/

いまさらのお話にはなると思いますが、日本国内での狂犬病感染は昭和31~32年以降ありませんが、全世界でいまだに毎年約55000人もの人間が亡くなっている致死率の高い感染症です。
海外旅行中に犬にかまれて、無症状の長い長い潜伏期間後に日本帰国後国内で発症した患者さんはいちばん最近では2006年に報告されています。

 

今年は特にタイでの狂犬病大流行(動物感染例が468件、人間の死者が6名2018/3/21までの)がありました。
狂犬病は過去の病気と思わずに、(また、ワクチンをうってない狂犬病に感染した(可能性のある)動物は飼い主から引き離されて、治療はせずに亡くなるまで隔離される法律になってますので)自分ちの子を守るためと思って健康状態のいい時にぜひ狂犬病予防注射を受けられてみてください。

ちなみに過去に狂犬病予防注射アレルギーが出た子、3か月未満の子犬、体調不良の子、病気療養中の子は獣医師の判断で予防を免除されますのでかかりつけの先生とよく相談されてくださいね。

GW中は暑かったり強風で冷え込んだり、最後に雨が降ったりで気候の変化が目まぐるしかったです。
人間もペットも体調をくずされぬようお気を付け下さい。

↑ ちなみにこのひとは注射後、パルの駐車場で強風に吹かれて楽しんでおりました♡
フルフル

また待合室に読み終わった本を持ってきてます。
今回は小説が多いのですが、ちょっと面白いマンガも。

さいとう・たかを先生のゴルゴ13 リーダーチョイスです↓↓

重さ1.4kg 厚さ7センチの辞書か電話帳か!?と見まごうほどの大きいマンガです(^.^)/読みごたえありますよ。

フルフル

人間もペットの世界も高齢化が進んでいるので当たり前と言えばあたりまえなのですが、最近かなりシニアのわんちゃんの手術を依頼される機会がとても多くなった気がします。

というわけで先月無事に手術が終わった患者さんの紹介を。
15歳3か月のラブラドールレトリバーのハッピーちゃん♡
いまだに毎日1時間散歩するタフガイ☆です。ちなみに大型犬でこのお年は人間でいえば80~90歳代にあたります(゜o゜)
お顔にたくさんの出血性腫瘍ができてたいへんなことになっていたので手術させて頂くことになりました。

手術前の画像がこちら↓↓ 右耳の上下、左のほっぺに腫瘍ができてます。

切除後の画像がこちら↓↓です♡ イケメンに戻りました(^o^)/

腫瘍は悪性の脂腺癌でした。外科手術が唯一の治療法になる癌なので無事摘出できてよかったです!!

実はハッピーちゃんは何度か過去の手術をブログで紹介させていただいたことがあります。
9歳で左後肢の扁平上皮癌手術でセカンドオピニオンでいらっしゃってから、右後肢軟部組織肉腫グレードⅠ、そして今回の脂腺癌とけっこうシビアな手術を乗り越えて頑張っていらっしゃる患者さんのひとりです。
今回は高齢に加えて心室性期外収縮も発症していましたので手術どうしよう?と飼い主さんと一緒にかなり悩みましたが、無事にきれいに摘出できてほんとによかったです(ToT)

フルフル