パル日記

2014.03.27

マダニが媒介する感染症(動物編)

前回に続いて、今回はイヌやネコに感染する恐れのあるマダニ媒介性の感染症についてです。

ダニに吸血される、あるいはダニを摂食することにより発症する病気にはいろいろありますが、
主な病気を紹介したいと思います。

バベシア症:マダニに吸血されることで媒介されるバベシア属の原虫により起こる病気です。
イヌの赤血球に寄生するのはバベシア・ギブソニとバベシア・カニスいう2種類で、沖縄、四国、
近畿地方、九州など西日本を中心に認められていましたが、最近では全国に広がっているとの
ことです。
福岡県でも過去に発症している地域が多くあります。
一般的な症状は、貧血、発熱、元気消失、食欲不振、黄疸、血色素尿です。
重度の場合は急速に死に至ることもあります。

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ヘパトゾーン症イヌでみられる病気で、ヘパトゾーン・キャニスという病原体が原因です。
この病原体をもったダニを摂食することにより感染するといわれていますが、親犬からの感染
の可能性も示唆されています。
症状は発熱、衰弱、貧血、下痢、食欲不振、歩行異常や腰痛を伴う筋肉の知覚過敏、目やに、
鼻汁があります。免疫低下状態にあるものがかかりやすいようです。

ライム病人畜共通の疾患で、スピロへータによって起こります。
日本でみられるライム病の症状は、発熱、全身性痙攣、起立不能、歩行異常などが単独あるいは
重複して現れます。

ヘモバルトネラ症:よく知られているのはネコのヘモバルトネラ症で、ヘモバルトネラ・フェリスが
病原体です。症状として貧血、元気消失、食欲不振、黄疸が現れます。

ダニ脳炎人畜共通感染症で、原因はダニ媒介性ウィルス群です。
日本においてもダニ脳炎患者の報告がある地域もあり、イヌからもウィルスが分離されている
ようです。

Q熱:リケッチアの一種であるコクシネラ・ブルネイが原因で起こる人畜共通感染症です。
感染宿主はヒトをはじめ、家畜、愛玩動物、野生動物、鳥類など極めて広く、ヒトでは
発熱、呼吸器症状、流産などの症状があります。しかし、動物ではほとんど症状がありません。

野兎病:野兎病菌の感染により発症する急性発熱性疾患であり、人畜共通感染症の一つです。
感染は感染した野兎との接触やマダニからの媒介によるものがあります。特に、マダニからの感染は
吸着されるほか、誤ってマダニをつぶしてしまい、その時にでる体液からも感染しうるので、十分な
注意が必要です。

くれぐれもマダニを手で潰したり、取ったりしないようにしましょう。
飼っている動物にマダニを見つけたら、専用のピンセットで取り除くか、動物病院で取ってもらって
くださいね。

まずはマダニの駆除、予防が大切です。
マエダ