パル日記

2013.08.26

子犬の下痢に注意!

こんにちは!獣医師の宮本です。

今回は、子犬の下痢でときどき見かける「ジアルジア症」について紹介します。

 

「ジアルジア」は鞭毛虫類に属する原虫の1種です。ちょっとかっこいいかんじになりましたが、

簡単に言うと、顕微鏡を使わないと見えないサイズのちっちゃな虫、みたいなイメージです。

症状としては、ジアルジアは小腸に寄生するので、下痢を引き起こします。症状を出さないことも

多々あるのですが、特に子犬や子猫など、免疫が弱かったりする子で問題となっています。

人に感染するか?と聞かれると、まだはっきりとしたことは分かっていないのですが、人での

ジアルジア症は、5類感染症とされていますので、十分な注意が必要と考えられています!

 

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上の子は今回、急性の下痢と嘔吐で初めて来院された「サクちゃん」です。

まだ3ヶ月ということで、感染症や異物などを疑い、糞便検査やレントゲン検査を行いました。

レントゲンは問題なかったのですが、糞便検査でなんと、「ジアルジア虫体」が見つかりました!

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!をつけたのは、ジアルジア虫体がこんなふうにきれいに見えるのがとても珍しいからです。

同業者でもおおー!というんじゃないかと思います(ちょっと言いすぎかなぁ)

 

さて、それはさておき、サクちゃんは、5日間ジアルジアを落とす薬を飲んでもらったところ、ジアルジアが

検査キットでも検出できなくなりました。症状もなくなり、元気にしています。(今はチェリーアイの治療中です)

結構長引く子もいますので、すんなり治ってくれて良かったです!

 

宮本