パル日記

2013.08.31

男の子にできやすい肛門の腫瘍

こんばんは!獣医師の宮本ですSmile


さて、今回は、「肛門周囲腺腫」について紹介します。
肛門周囲腺腫は、題名の通り、男の子に出来やすい肛門の腫瘍です。特に高齢で、去勢手術を
していない子に発生します(逆に、去勢している子は殆ど発生しません)。この腫瘍は良性で、
男性ホルモンに関連していることが分かっており、もし発生したとしても、去勢手術をすると
だいたいが縮小すると言われています(もちろん例外もあります)。
下の子は、肛門の右上にしこりが出来てしまった子です。
苦手な方はクリックしないでください↓
DSC_1136.JPG
表面が崩れてしまい、汁がでて、一部出血も起きていました。(画像が荒くてすみません。)
このような病気を診たとき、僕たちは、腫瘍じゃないかどうか、腫瘍としたら何なのかを考え
いきます。今回の子は、高齢で去勢をしていなかったため、肛門周囲腺腫かなぁと考えていましたが、
もちろん、肛門にできる悪性の癌など、そうじゃないケースもありますので、そういったことも含め、
診察、検査を進めていきました。その結果、高齢であり、少し心臓にも不安があったことと、
しこりを全てとった場合、肛門の一部も取らなくてはいけなくなり、術後に便がうまくできなく
なってしまう恐れがあったため、オーナーさんとよくよく相談し、去勢手術+生検(診断のため、
しこりの一部を採ってくる)を行いました。
結果、肛門のしこりは“肛門周囲腺腫”で、様子を見ていきましょう、という形になりましたSmile
下の写真は、それから2ヶ月後です。腫瘍自体やや小さくなり、赤くなり汁が出ていた部分は
綺麗になっていました。本当に良かったです{#emotions_dlg.001}
DSC_1009.JPG
このように、”性別によっておこりうる病気”、というのが結構存在します(乳がんや前立腺の問題など)
このような病気は、避妊や去勢手術で“予防”が可能ですので、今後子供を生ませないかなぁ、と
お考えの方は、我が子のために手術をやってあげることをおすすめします{#emotions_dlg.161}
宮本