獣医師日記

今日はめったに遭遇しない病気、総胆管結石閉塞の手術のお話です。

以前から胆のうや総胆管の病気は悪くならないと症状出ないよ~とよく飼い主さん達にお伝えしてますが、今回がまさにそれ。
昨日からちょっと下痢して吐いてなんとなく元気がないんです…とよくある症状で猫ちゃんが来院されました。
体を触ると熱っぽくてなんとなく呼吸が速い。

メインクーンという体重が6kg近い大型の猫ちゃんなので、心臓や肺に問題があったらいけないと思いレントゲン撮らせて頂きました。
そしたらなんと胆のうの部位に大量の胆石と、それとやや離れたところに一個だけ石のシルエットが(>_<)

↑ のレントゲンの画像の真ん中やや下で、上向きの三日月みたいに白く写っているのが胆のう内胆石です。その斜め上に1個だけうすく白くポツンと写っている総胆管結石がお分かりでしょうか?
これは絶対見逃してはいけない大事な所見です。
この後みせていただいたエコーや血液検査でも総胆管結石閉塞と感染を疑われる所見がみられました。
感染を抑える目的と、あわよくば胆石がコロコロ十二指腸の方に移動してくれないかな…という期待を込めて入院させて2日間内科治療しましたが、残念ながら黄疸はひかず改善がなかったために摘出手術になりました。

これは術前のCT画像です♡
赤い矢印が十二指腸の手前で引っかかっている総胆管結石です。左上のグレーの丸の中の大量の白い塊が胆のう内結石です。

手術とCTを飼い主さんに説明するために図解してみました。左上の黄色い胆のうがポケモンに出てくるモンスターみたいですねヽ(^o^)丿

実際の手術はこちら♡
胆のう剥離中。

総胆管を切開して結石を摘出していきます。

総胆管切開は胆のう系の手術の中でも気を使う手術のひとつです。
総胆管は内臓の中で一番くっつく(治癒)するのが遅い臓器と言われています。切開して縫合しても、胆汁が縫合部位から漏れ出てくる場合があります。その場合胆汁性腹膜炎をおこしてたいへん危険な状態になることがあります。
手術のコツは、優秀な縫合糸でサッとすばやく縫って、縫合部位の上に漏れ出てきた胆汁をすべて吸収してくれる陰圧ドレーンを設置することです。このドレーンは胆汁が出てこなくなるまで、長いときには2~3週間設置することがあります。手術をした先生は術後このドレーンを祈るような思いで毎日毎日ずーーーっと観察し続けてます(ToT)/~~~

ちなみに総胆管を縫う時に使う優秀な縫合糸はこちら ↓ 
水色に2本見えているのが縫合糸。髪の毛のように細い糸です。下に置いたマッキー(マジック)と比較してみるとその細さがわかります。

摘出した胆石です。そのほとんどは吸引器で吸ってしまっているのでこれは一部です。

今回は術後にドレーン内に出血が続いたりしてハラハラしましたが、かんじんの胆汁の漏れはなく順調に総胆管はくっついたようです。比較的回復も早くてホントよかった!
頑張ったりゅう君です♡

ふるふる