症例
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一般診療 症例

ケンネルコフ

症例

4ヶ月齢、オス、雑種犬、1.8kg

主訴

発咳、呼吸促 。夜中も発咳あり。
元気食欲もやや低下。

診断

X線検査と臨床症状の経過と年齢からケンネルコフを疑った。

治療・経過

抗菌薬 、気管支拡張 、抗炎症薬の内服薬を10日分処方した。内服薬が終了したが数日で咳が再発するため、鎮咳薬追加処方したところ症状の改善が認められた。

コメント

子犬に多い呼吸器の感染症で、発咳を主徴とします。感染力が強く、咳によって容易にうつる事があります。病原体は 数あり、一部の病原体はワクチンで予防できます。ワクチンを接種していても発症する事はありますが、重症化を防げる可能性が期待できます。症例の状態によって内服薬やネブライザー(噴霧吸入)の治療を行います。

寄生虫感染による下痢

症例

3歳、避妊メス、雑種猫、4.2kg

主訴

最近保護した猫で、便が軟らかい

診断

便検査を実施した結果、マンソン裂頭条虫の寄生が認められた。

治療・経過

虫下しを実施
1週間後に再度、便検査を実施して、条虫卵がまだ認められたため、追加で虫下しを実施し、経過は良好。
室内飼育を行うなど生活環境の改善についても提案を行った。

コメント

下痢は、原因によって症状やその重症度は異なります。感染、免疫異常、食事、腫瘍、アレルギー、ストレスなど原因は様々です。下痢をしたからと言って必ずしも深刻な病気とは限りませんが、中には急激に悪化して死亡する病気の場合もあります。早い時期での検査や治療を推奨します。
今回の症例のマンソン裂頭条虫はカエルやヘビ等の捕食で感染します。毎年再感染を繰り返す症例が多いことから定期的な虫下しが必要な場合も多いです。

嘔吐

症例

1歳2ヶ月、去勢オス、ゴールデンレトリバー、31kg

主訴

昨日から食べない。食べても吐く

診断

腹部のエコー検査、X線検査を実施した結果、消化管内の異物が疑わしい。

治療・経過

異物が胃から十二指腸にまで及んでいたため、内視鏡下での異物除去は難しいと判断し、開腹手術を行い、胃内異物の除去を行った。術後は食欲不振や嘔吐もなく、経過は良好。異物癖がある症例は繰り返し異物を摂取する可能性が高いため注意が必要。

コメント

異物の摂取、食道の異常、胃の異常、食事、細菌、ウイルス、寄生虫、免疫の異常、腫瘍など嘔吐の原因は様々です。吐いた後、普段と変わらない様子でいる場合もあれば、繰り返吐いたり、下痢、発熱、痙攣などの症状を伴う場合もあります。異物による嘔吐は、血液検査に反映されない事が多く、 見つけた段階で適切な対処(手術や内視鏡)を行う必要があります。

細菌性膀胱炎

症例

12歳、去勢オス、柴犬、9kg

主訴

1週間前から血尿・頻尿。尿の刺激臭あり。元気食欲は問題なし。

診断

超音波検査で 膀胱壁の肥厚と膀胱内の浮遊物が認められた。尿検査を実施した結果、細菌感染が確 されたため、細菌性膀胱炎と診断した。

治療・経過

薬剤感受性試験を行い、その結果から抗菌薬の処方を行った。投薬開始から2週間後に再度超音波検査と尿検査を実施して、膀胱壁の肥厚や浮遊物、細菌が認められなかったため、投薬は終了とした。血尿・頻尿の症状も改善し、経過は良好。          

コメント

犬では最も一般的な膀胱炎です。細菌性膀胱炎では膀胱内に細菌が感染することにより膀胱内に炎症が起き、それに誘発されて血尿や頻尿などの症状が生じます。一般的には皮膚に常在する細菌や糞便中の細菌が尿道を逆行性に侵入し感染が成立する事が多いと言われていますが、放置してしまうことにより膀胱結石や感染などが複雑化するなど注意が必要な疾患です。

外傷

症例

MIX猫 7歳 去勢オス  4.8kg

症状

しばらく振りに帰ってくると顎が裂けていた。他院では縫合困難とのことで当院に来院。

診断

時間の経過した外傷。

治療・経過

感染部位と壊死組織を除去し、縫い代がないため下顎骨と歯を使い縫合する手術を行う。 その後、抗生物質の投与と洗浄消毒を繰り返し行う。
約1カ月で無事定着し、化膿もなく過ごしています。

コメント

 骨と軟部組織のように異なる組織は定着しにくい。今回は無事定着し、咀嚼機能も維持できて良好でした。

眼科 症例

白内障

症例

12歳  雑種犬 去勢オス  5.5kg

主訴

眼が白くなってきた。

診断

成熟白内障

治療・経過

水晶体誘発性ぶどう膜炎の予防として、非ステロイド系の点眼薬を処方。
月に1回進行がないかどうかの定期検診を受診。

コメント

白内障は初発、未熟、成熟、過熟の4段階のステージに分けられます。成熟白内障になると、変性し膨化した水晶体タンパクが眼内に漏出し、水晶体誘発性ぶどう膜炎を引き起こす恐れがあります。これを予防するために、未熟後期の段階からは手術や点眼処置を推奨しています。当院では白内障の手術は現在行なっていませんが、ステージ分類や病態を細かくお伝えすることができますので、ぜひご相談いただければと思います。

緑内障

症例

7歳、未避妊メス、9.0 kg
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル

主訴

羞明、眼球突出

診断

緑内障(原発性)

治療・経過

すでに視覚が喪失していたため、強膜内シリコンボール挿入術
(義眼手術)と瞬膜フラップを実施、疼痛もなく術後良好

コメント

緑内障は眼科で唯一の緊急疾患です。眼圧上昇から72時間以上経過すると視覚を失います。 視覚を失ってしまった場合の選択肢の一つに義眼手術があり、角膜・結膜・強膜などが残せるため、一見わからないくらい外貌を維持することができます。

結膜炎

症例

1歳半 トイ・プードル 避妊メス  3.0kg

主訴

目やに

診断

細菌性結膜炎

治療・経過

マイクロブラシで結膜擦過塗抹を作成・観察の結果、細菌と好中球が検出されたため、抗生剤点眼を処方

コメント

結膜炎は最も遭遇することの多い眼科疾患です。一口に結膜炎といっても、原因により細菌性結膜炎、アレルギー性結膜炎、乾性角結膜炎といった様々な病態に分けられ、それぞれ治療法も異なります。猫ではクラミジア性結膜炎、ヘルペスウイルス性角結膜炎が非常に多く、中には治療が遅れると失明に至るケースもあります。
当院では顕微鏡で炎症細胞や病原体の有無を確認し、早期に適切な点眼薬を処方することに努めています。

強膜炎

症例

8才 チワワ 避妊メス

症状

10日前から右眼の充血。本人は気にしてないが、外眼角側の強膜炎が結節状に膨隆。
連続する角膜も膨隆し混濁化。

診断

角膜染色により潰瘍なし、ビラン軽度にあり。
眼球エコー検査にて右眼外眼の結膜から強膜炎の肥厚があり、球形は平坦化。
左眼は硝子体内に浮遊物あり(出血あるいは炎症産物)
仮診断は眼腫瘍あるいは強膜炎
抗核抗体(ANA)陰性

治療

初め1週間はは抗生剤、ステロイド内服。ジクロード点眼、抗生剤点眼、ヒアルロン酸点眼。
結膜の膨隆と赤みは減ってきたが 結膜輪部の結節状膨隆は残存のため、治療反応から強膜炎の可能性が高いと判断して、ステロップ点眼へ変更。
抗生剤は停止し、ステロイド内服を減薬しながら、ステロップ点眼継続で結膜輪部の結節状膨隆も消失し、虹彩の炎症もなくなった。結膜色素沈着が起こるが、次第に色素が退縮し角膜変性による白濁化が残る。

経過

角膜保護のためのヒアルロン酸点眼と消炎剤点眼をジクロードに戻して2ヶ月維持していたが、強膜炎再発のため、ステロップ点眼で改善した。

流涙症

症例

1歳 トイ・プードル 未避妊メス 2.0 kg

主訴

涙やけ

診断

鼻涙管の詰まり、マイボーム腺機能不全

治療・経過

週に1回の鼻涙管洗浄、マイボーム腺の温罨法とマッサージにより徐々に涙やけが改善
鼻涙管の詰まりが解消されてきたら洗浄の間隔をあけ、最終的には月に1回の洗浄で維持

コメント

流涙症は若齢の小型犬(特にトイ・プードル、ビションフリーぜ、ミニチュア・ダクスフンドなど)で多く認められます。原因は主に、角膜への慢性刺激(傷や逆さまつげ)、濾胞性結膜炎、マイボーム腺機能不全、鼻涙管閉塞などが挙げられます。涙やけだけであれば問題にならないことも多いですが、皮膚が慢性的に湿った状態になるため、ひどい場合では皮膚炎を起こすこともあります。当院ではまず原因について探査し、できる限り低侵襲、かつ効果的な治療を積極的に行なっています。

眼瞼内反症

症例

スコティッシュ・ホールド 2才 オス

症状

半年前から左目に毛が入って涙が多い。他院で目薬するが、目が開けづらそうで治らないとの事で来院。
左眼外眼角の内反と角膜潰瘍を確認。

手術・治療

眼瞼内反整復術。術日抗生剤注射、消炎 痛剤注射。
術後抗生剤内服。抗生剤点眼、ヒアルロン酸点眼。2週間後抜糸。

経過

角膜潰瘍消失。羞明、涙目消失で経過良好。

眼瞼内反症

症例

1歳半  雑種猫 未去勢オス  5.0kg

主訴

涙が多い

診断

眼瞼内反症(外傷性)

治療・経過

内反した眼瞼を整復するために外科手術を行った。
流涙量が減り、角膜への刺激もなくなり良好な経過を辿る。

コメント

眼瞼内反症の原因は先天的、後天的と様々ですが、結果的に外科手術になることが多い疾患です。
瞼が内側に入り込み角膜と接触してしまうため、涙や痛みの原因になります。
角膜に傷が入る前に、早めの診察をお勧めします。

眼球突出

症例

5才 チワワ オス

症状

1時間前、何かに強くぶつかったのか、気付くと右眼眼球が突出していたとのことで来院。

手術

即日眼球整復と再脱臼防止と眼球保護のため眼瞼縫合

経過

19日後抜糸。結膜充血なし、対光反射正常、眼球の動き左右対称で正常、角膜透明度正常。

コメント

東武に強い打撃がある場合、眼球が脱臼し突出する事があります。この場合、突出した眼球組織が損傷し、周囲組織の圧迫による疼痛や炎症が起こるため、早急に整復する必要があります。

角膜潰瘍による角膜穿孔

症例

12才 シーズ 避妊メス

症状

角膜外傷により、大量の涙ありで来院。角膜より房水排泄。
角膜潰瘍による角膜穿孔。

治療

抗生剤全身投与。抗生剤点眼、ヒアルロン酸点眼。

手術

眼球形状を保っていることから、角結膜層板状移植術、同時に眼瞼縫合を実施。

経過

術後2週間後に眼瞼縫合の抜糸。2ヶ月後に鎮静下にて角結膜の抜糸。術後4年目も角膜に瘢痕は残るものの、徹照法で瞳孔を確認でき、視界の温存が得られており、移植弁の状態も良好である。

皺襞による角膜潰瘍

症例

3歳 ペキニーズ 避妊メス  6.7kg

主訴

左眼を瞑って痛そうにしている

診断

鼻、眼周りの皺により毛が角膜に接触
物理的刺激による角膜潰瘍

治療・経過

角膜潰瘍は内服薬と点眼で改善
根本的には皺を切除しなければ繰り返してしまうため、原因である皺癖の切除術を実施
術後は角膜潰瘍の再発もなく、良好な経過をたどる

コメント

ペキニーズ特有の皺癖は、チャームポイントですが、時としてこのような病態を引き起こします。若齢のうちから角膜潰瘍を引き起こしてしまう場合は今後も繰り返すことが予想されるので、再発予防として皺癖の切除を推奨しています。顔が変わってしまうのでは、と心配される方が多いですが、写真のように大きな外貌の変化がないことが多いため、今後痛い思いをさせないためにも、予防的な措置としてお勧めできる手術です。皺癖切除術は皮膚炎の防止にも使用されます。

角膜穿孔

症例

7歳  雑種猫 未去勢オス  5.2kg

主訴

眼球から赤いものが出ている
元気・食欲なし

診断

角膜穿孔(外傷、感染性) 

治療・経過

痛みからの解放と、感染拡大を防ぐため、眼球摘出手術を実施。
術後の陥没を最小限にするために、眼球摘出後の眼窩にシリコンボールを入れ閉創。
摘出後、眼の痛みから解放され、一般状態の改善も見られた。

コメント

角膜穿孔は失明につながる疾患です。痛みも強く、全身状態にも影響を及ぼしてきます。写真のような状態に発展してしまった場合は、摘出するしか手段がありません。
従来、眼球摘出後は死腔ができてしまうため極端に凹んでしまうことも多いですが、当院ではシリコンボールを眼窩に入れることで、凹みを最小限にし、できるだけ顔の雰囲気が変わらないよう努めています。犬や猫は人間と比べて視覚にに頼ることが少ないため、片目が見えていれば日常生活で困ることは少ないです。

デスメ膜瘤

症例

14歳 トイ・プードル 避妊メス  2.0kg

主訴

角膜に傷がある

診断

デスメ膜瘤 (外傷、感染性)

治療・経過

角膜擦過塗抹から多量の球菌を確認したので、まずは抗生剤で感染コントロール。
細菌が減ったところで眼瞼縫合実施、血清点眼開始。
2週間後抜糸、傷の修復を確認し以後良好。

コメント

角膜潰瘍が進行すると角膜の深部の膜であるデスメ膜まで到達し、デスメ膜瘤と言われる病態に発展することがあります。点眼や内服薬だけで改善することもありますが、  は血流がなく、傷の治癒能力が比較的低いため、外科的な処置が必要になることも多いです。今回の処置は、上下の眼瞼を縫合し、眼をつぶった状態を維持させることで、角膜への涙の供や外部の刺激からの保護効果を発揮し、治癒を促すといった方法です。処置が遅れると失明や眼球摘出になりかねないため、早めの受診をお願いします。

チェリーアイ

症例

5才 ミニチュア・ダックス  オス

症状

長期間(4年)の瞬膜突出による瞬幕腺腫大(チェリーアイ)簡易的整復法では整復改善なし。

手術

瞬膜腺突出整復術(ポケット法)

経過

1週間後の検診では瞬膜腺の腫脹消失。1ヶ月後再発なし。瞬膜正常。

眼瞼腫瘤

症例

1才7ヶ月 柴犬  オス

症状

他院にて抗生剤、ステロイド内服をするが、腫瘤が大きくなる事で当院を来院。

手術

治療: 眼瞼腫瘤切除、眼瞼皮弁術を実施。
術日は抗生剤注射、消炎 痛剤注射、術後抗生剤内服。
2週間後抜糸。

病理検査結果

皮膚組織球種。良性。取り切れており、予後良好。

耳鼻科 症例

外耳炎

症例

フレンチブルドッグ、 2歳、去勢オス

症状

耳の痒み、頭を振る

治療

耳鏡下での耳道洗浄及び外用薬の塗布

コメント

犬の耳は垂直耳道から水平耳道へとつながっており、特に水平耳道部にかけての確認は困難です。本症例のように耳鏡を用いることにより水平耳道やその奥の鼓膜部分まで確認ができ、処置後の耳道内の様子も知ることができます。治療は、その症例の外耳炎の程度や経過によって外用薬や内服薬の選択を行います。

鼻咽頭狭窄

症例

6歳4ヶ月 雑種猫 避妊雌 3.5kg

主訴

半年前から呼吸音の異常、鼻づまり、いびきが治らない

診断

鼻咽頭狭窄

治療・経過

鼻咽頭の狭窄部位に対し、バルーン拡張術を実施。
2週間ほど症状の改善が認められ、以降少しずつ悪くなることから、現在2~3週間に一度バルーン拡張術を実施。

コメント

鼻咽頭狭窄はCTなどの高度な画像検査でないと確定診断が難しい疾患です。原因がわからず、内科治療にも反応しないため、不安を抱えて相談に来られた結果判明するケースも多いです。バルーン拡張をすることで症状の緩和が認められますが、定期的に処置をする必要があります。徐々に処置間を延ばしていって、維持可能な頻度を見つけていきます。

歯科 症例

重度歯周病

症例

14歳、避妊メス、M.ダックスフント、7.7kg

主訴

歯肉の腫れ、口臭

診断

視診による重度歯周病

治療・経過

全身麻酔下での超音波スケーラーでの歯石除去、不健康歯の抜歯、歯肉の縫合を行った。処置後より口腔内の腫れの軽減、食欲の改善を認める。その後は自宅でのデンタルケア(歯磨きやデンタルジェルの使用)を行い良好に管理している。

コメント

3歳以上の犬猫の約80%は歯周病を患っていると言われています。歯茎の腫れや痛み、涎、出血などの症状がある場合は早めの処置が必要と思われます。

猫の重度歯肉口内炎

症例

8歳、未去勢オス、雑種猫、5.0 kg

主訴

口の痛み、流涎

診断

歯周病による重度歯肉口内炎

治療・経過

外科手術にて、全臼歯の抜歯、抜歯後の歯根膜腔を埋めるためのフラップ形成・縫合により、口の痛みの軽減、流涎の減少が認められた。

コメント

猫の歯肉口内炎は非常に多い疾患で、若齢から高齢まで幅広い年齢層で認められます。根治的には外科手術が必要となります。猫は歯がなくても柔らかいご飯で食事を摂ることができ、痛みから解放されQOL(生活の質)は格段に向上します。

歯原性嚢胞

症例

7歳、未去勢オス、 種犬、4kg

主訴

呼吸障害、歯肉の腫れ

診断

CT検査にて埋没歯と嚢胞を認めたため「歯原性嚢胞」と診断した。

治療・経過

外科手術にて、埋没歯の摘出と嚢胞の切開、縫縮を行なった。
術後の経過は良好で、呼吸も落ち着き再発も認められていない。

コメント

歯原性嚢胞とは、歯の疾患や歯の萌出に関連した嚢胞のことで、放っておくと呼吸困難を起こすことが多いです。治療の方法としては、CT検査にて評価し外科手術を行うことが一般的です。

内分泌化 症例

甲状腺機能低下症(アレルギー性皮膚炎併発)

症例

チワワ13歳 去勢オス 3.5kg

症状

4才より皮膚炎、痒みの慢性経過。10才より脱毛が増してきた。
他院で皮膚病治療するも奏功せず。

診断

皮膚細菌、真菌培養検査、一般血液検査、甲状腺ホルモン測定によりアレルギー性皮膚炎と甲状腺機能低下症と診断。

治療・経過

アレルギー性皮膚炎に対しては外用とシャンプー、アポキルにて管理し、甲
状腺機能低下症には甲状腺ホルモン製剤の内服投与にて管理した。
治療開始2週間で痒み、炎症の軽減、発毛傾向あり。
1ヶ月半後、首や足先の症状は残るが、背中、腹部の炎症はなくなり発毛改善。

コメント

甲状腺機 低下症はホルモン測定だけで診断せず、特徴的な臨床症状(徐脈、体重増加、 コレステロール血症、脱毛、薄毛など)の有無と併せて診断します。
甲状腺ホルモンの分泌は落ちていないのに、二次性の低下症と混同しないためです。

糖尿病

症例

MIX猫 8才8ヶ月齢 去勢オス 5.1kg

症状

1ヶ月前より元気・食欲はあるものの体重低下。
多く水を飲み、いっぱいおしっこをする。

診断

血液検査による公家等とフルクトサミン高値、尿検査による尿糖の検出により糖尿病と診断。

治療・経過

インスリン導入のため、2−3時間おきの血糖値測定とインスリンの種類と量の決定をおこなった。その後飼い主さんにインスリンの扱いの説明や注事事項を伝えて、在宅注射を行い定期的な血液検査により以降の管理とした。
インスリン導入後、2週間おきに来院してもらい血糖値に合わせたインスリン接種量の微調整をおこなった。インスリン量の決定後は1−3ヶ月おきの検診とした。

コメント

一般的に病気は食欲の低下を伴うものという先入観がありますが、糖尿病は食欲が増す疾患です。特徴的な症状は、食欲がある割に体重の低下を起こし、多飲多尿も伴います。また筋肉量の低下や末梢運動機障害によりかかとを落とした姿勢をとることもあります。

糖尿病性ケトアシドーシス

症例

11歳、去勢オス、雑種猫、5kg

主訴

1ヶ月前からの元気・食欲の低下。嘔吐。多飲多尿。体重減少。

診断

血液検査、尿検査を実施した結果、糖尿病性ケトアシドーシス

治療・経過

初期治療として適切な輸液を行い、水和状態と電解質を補正。水和状態の改善が認められたら高血糖に対する治療と糖代謝の改善のため、グルコースとインスリンの治療を開始。退院後は定期的に当院で血糖測定を行い、自宅でのインスリン接種にて糖尿病コントロール中。

コメント

糖尿病とは、血糖値を下げる作用のあるインスリンの分泌や作用が低下する事で発症します。多飲多尿、高血糖、尿糖排出などの症状を示します。治療法は定期的な血糖測定を行いながら、インスリンの投与量の調節や、食事管理を行うのが一般的です。

副腎皮質機能低下症(アジソン)

症例

チワワ 1才10ヶ月齢 去勢オス 2.1kg

症状

10日前より元気 欲の低下、下痢。
かかりつけの病院で下痢の治療をするも改善なく、震え出した。
体温の低下と意識レベルの低下もあった。

診断

腹部エコー検査と一般血液検査に加え、電解質とACTH刺激試験、コルチゾール測定により副腎皮質機能低下症と診断。

治療・経過

点滴による脱水と循環不全の改善、副腎ホルモン製剤を注射した。
治療開始後4時間で活動性の上昇、その後には食欲も出て2日後には血液検査の異常値は全て改善した。

コメント

この病気の初期症状は副腎皮質機能低下症と疑うような特徴的な臨床症状はなく、鑑別診断から漏らさずに視野に入れていくことで診断を行なっていきます。発見が遅れがちな病気の一つなので注意が必要です。

皮膚科 症例

食物アレルギー、犬アトピー性皮膚炎、膿皮症の併発疾患

症例

ウエストハイランドホワイトテリア 9歳 去勢オス  5.8kg

症状

数年前より皮膚が悪かったが、半年前よりさらに悪化。他院にて治療するも改善なく当院へ受診されました。

診断

IgEとリンパ球におけるアレルギー検査、細菌培養薬剤感受性検査により、食物アレルギー、犬アトピー性皮膚炎、 皮症の併発と診断。

治療

初期は抗生剤、抗真菌剤、ステロイド、オクラシチニブ、サプリメント、シャンプーを併用し、維持期は低容量で数日に1回のお薬を使用しました。また、検査結果より推奨される食事変更を行いました。

経過

約1カ月で痒みは1/10に低下し、皮膚の肥厚、炎症、フケも改善しました。

慢性膿皮症、アトピー性皮膚炎の併発症例

症例

13才 チワワ  オス
甲状腺機 低下症、心臓病、肝機能低下あり。

症状

4才の頃から再発性の皮膚炎、痒み、脱毛を繰り返す。
10才頃から再度痒み酷くなり、他院で内服するが飲むとと痒み治るが背中、腹部の赤み、脱毛は治らない、薬を飲まないと痒がるとの事で来院。

診断

真菌培養検査は陰性
皮膚細菌培養検査と低容量ステロイドに反応する事から、慢性膿皮症、アトピー性皮膚炎の併発と診断。

治療

シャンプーケア、皮膚外用(ラポ液、EVSミスト)にて感染対策、ステロイド、アポキル

経過

治療開始2週間で痒み、炎症の軽減、発毛傾向あり。
1ヶ月半後、首や足先の症状は残るが、背中、腹部の炎症はなくなり発毛改善。

食物アレルギーとアトピー性皮膚炎併発

症例

7才 トイプードル 未避妊メス

症状

3年前から目の周り、脇、腹部の痒み、湿疹を繰り返す。抗生剤、ステロイド、アポキル内服するが、1年中痒みが治りきらず、当院を紹介来院。

検査

皮膚検査にて球菌、マラセチア検出。細菌培養検査、アレルギー検査(IgEとリンパ球反応)、ステロイドリセットを行い、食物アレルギーとアトピー性皮膚炎併発と外耳炎と診断。

治療

アレルギー検査結果から低アレルギー食による除去 。初診時はステロイド5日間、抗生剤、抗真菌剤、シャンプー療法で痒みほぼ0/10。外耳炎にはオスルニア投与。2週間後からステロイドTOD、アポキル併用。感染対策にはEVSミストとシャンプー療法。徐々にアポキル減薬したが、耳の痒み再発。一度投薬回数を戻し、乳酸菌療法を開始。

経過

ステロイド、アポキル投与回数を戻して3週間後痒み0/10となり、再度減薬開始。
乳酸菌療法3ヶ月目、ステロイド4日に1回、EVSミスト、食事療法で痒み0/10を維持。薬離脱に向け治療継続中。

食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、膿皮症、マラセチア性皮膚炎の併発症例

症例

柴犬 9才 未避妊メス 

症状

1年前に疥癬と診断。他院にて疥癬は治癒するが、顔、全身の痒み、赤み、脱毛が続いており治らない事で当院に来院。胸部、腹部、背中、脇、四肢内股、四肢端、尾の付け根、肛門周囲の炎症、苔癬化、皮膚肥厚、ベタつき、脱毛、臭いあり。

診断

皮膚検査より細菌による慢性膿皮症、マラセチア性皮膚炎
5日間のステロイドリセットと単一タンパク食による除去食試験にて痒み、炎症低下状況により食物アレルギー、アトピー性皮膚炎との併発と診断。

治療

感染対策としてシャンプーケア、皮膚外用 (ラポ液、EVSミスト、外用ステロイド、抗真菌剤軟膏)を行い、単一タンパク食による除去食試験、3日に1回のステロイドを実施。院内でのメディカルシャンプー併用。

経過

2週間で痒みは1~2/10に低下。1ヶ月後には皮膚の炎症も減り、肥厚、ベタつきが改善。発毛傾向が見られる。薬からの離脱に向け、乳酸菌治療を検討。

腫瘍科 症例

多中心型リンパ腫(犬)

症例

9歳、未去勢オス、ゴールデンレトリバー

主訴

リンパ節の腫れで来院

診断

細胞吸引生検(細胞診断)、血液検査、遺伝子検査(クロー
ナリティ検査)

治療・経過

多剤併用化学療法にて経過良好

コメント

犬の多中心型リンパ腫は、犬で発生するリンパ腫のほとんどを占めており、体表リンパ節が大きくなり発見されることがほとんどです。治療としては、抗がん剤を何種類か使用する「多剤併用化学療法」が第一選択とされており、「完全寛解」の維持を目指して行われます。抗がん剤治療による生存期間中央値は1年とされており、悪性腫瘍の中では治療を行うことで長生きにつなげることができるため、当院では積極的に抗がん剤治療を取り入れて行なっております。

口腔内悪性黒色腫

症例

14歳、避妊メス 、ミニチュア・シュナウザー

主訴

口から出血がある、舌の下が膨らんでいる。

診断

CT検査
病理組織学的検査(悪性黒色腫)

治療・経過

下顎骨3/4切除手術
抗がん剤

コメント

口腔内悪性黒色腫(メラノーマ)は、犬の口腔内にできる悪性腫瘍で一番発生が多く、悪臭や出血などが大きな問題となります。また、見つかった時点でリンパ節や肺に転移していることがほとんどです。治療法としては、第一選択として外科手術があり、切除範囲が広い場合は顎の骨ごと切除を行うことも考慮します。また、本症例のように局所の抗がん剤注入、そのほか放射線治療や免疫治療など様々な治療が可能で、ステージが低い場合には2年以上の予後が得られる場合もあります。

原発性肺腫瘍

症例

12歳、去勢オス、ラブラドールレトリバー

主訴

咳症状

診断

胸部レントゲン検査
CT検査(浸潤、転移の確認) 
病理組織学的検査(乳頭腺癌) 

治療・経過

肺葉切除手術

コメント

原発性肺腫瘍はそのほとんどが肺がんですが、コーギーなどの犬種によっては組織球肉腫が好発することもあります。
がんの治療は外科手術が第一選択で、ステージが低い場合には天寿が全うできることも多いため、CT検査にて切除が可能と判断された場合は積極的な治療を行うことをお勧めしています。

乳腺腫瘍(猫) 

症例

8歳、未避妊メス、 雑種猫

主訴

乳腺にしこりがある

診断

細胞吸引生検(細胞診断)、CT検査(転移の有無)
病理組織学的検査

治療・経過

両側乳腺切除手術、リンパ節郭清

コメント

猫の乳腺腫瘍はそのほとんどが悪性と言われており、しこりが3センチ以上あった場合予後が悪いことが多いです。治療としてはその症例のステージにもよりますが、外科療法がメインになります(乳腺全摘出、乳腺片側摘出、転移があれば 分切除など)。早期診断、早期治療が非常に重要なので、乳腺にしこりを見つけた際はすぐに病院を受診することをお勧めします。また、若いうちに避妊手術を行うことによって乳腺腫瘍の発生率が下がるため、避妊手術を行なっておくこともお勧めします。

整形外科(リハビリ科) 症例

膝蓋骨内方脱臼(パテラ)

症例

Mix犬 5歳 体重6.3kg

症状

右後肢のよろけ、力が入りづらい

診断

膝蓋骨内方脱臼(GIll)

手術

滑車溝造溝術、外側内側関節包縫縮、外側支帯縫縮、大腿直筋滑落防止スクリュー、脛骨粗面移動、前部縫工筋リリース

経過・コメント

術後5日目より十分な負重と良好な歩様を認める。膝蓋骨内方脱臼はいわゆる膝のお皿が外れた状態です。singletonの分類(GⅠ~Ⅳ)や症状の有無に従って手術の判断をします。症状がないまま進行すると将来的に関節炎の発生や靭帯断裂を招く可能性があります。日頃より時々足を上げたり、キャンと鳴くなどの症状があれば早めにご相談ください。

前十字靭帯断裂整復(LS法)

症例

ヨークシャテリア 12歳 オス 4.9kg

症状

6日前より右後肢派跛行(原因不明)

診断

前十字靭帯断裂

治療

関節外制動法(LS法)

経過・コメント

術後3週間後より十分な負重を認める。その後も再発なく良好に経過。
前十字靭帯断裂症は大きく関節内法(当院ではTPLO法)と人工靭帯糸を用いた関節外法とがあります。
現在では、関節内法が主流になっていますが、場合によっては関節外法を選択する場合もあります。主治医と相談して上で判断していきます。

脛骨高平部水平化骨切り術(TPLO)

症例

柴犬 9歳1ヶ月 避妊メス 体重10.6kg

症状

散歩時における右後肢の跛行

診断

前十字靭帯断裂及び膝蓋骨内方脱臼

治療

脛骨高平部水平化骨切り術(TPLO)及び滑車溝造溝術

経過

術後3日目よりしっかりとした歩行を認める。その後も問題なく良好に経過。          
前十字靭帯は外傷などを原因として発生し、断裂したままの不安定な関節で生活をすると半月板の損傷や関節炎が起きうるため早期の診断と治療が必要になります。

肩関節固定

症例

ヨークシャーテリア 8歳 避妊メス 8.4kg

症状

前 挙上で着地しなくなった

診断

触診、レントゲン検査により肩関節脱臼と診断

治療・経過

プレートとスクリューによる肩関節固定
術後10日で正常に近い歩行ができ、術後3週間で走ることもできた

コメント

肩関節脱臼に対して肩関節固定は第一選択ではないが、外科的な整復を行っても再脱臼のリスクがあり、個体による年齢や再麻酔を避けるため、この手術を救済的に選ばれることもある。

踵骨骨折

症例

ヨークシャーテリア 10ヶ月齢 未避妊メス 2.2kg

症状

テーブルから落下後、左後 挙上

診断

レントゲン検査により踵骨骨折と診断

治療・経過

ピン2本とテンションバンドワイヤーにより整復固定
術後7日目までは軽めの負重。術後2週間で正常歩行 
術後2ヶ月で抜ピンを行った

コメント

踵骨はアキレス腱を介して、かなりの力がかかる部位の骨折部位とはいえ骨片は4mm x10mmしかなく、ピンの刺入には慎重を要した。

橈尺骨骨折

症例

トイプードル 2歳 未去勢雄 1.85kg

症状

落下後、右前 挙上

診断

レントゲン検査により橈尺骨骨折と診断

治療・経過

ダブルプレートを1.1~1.5mmスクリューにより内固定整復。
術後3日目には不住歩行可。癒合の過程を見ながらスクリューの間引き、プレートを除去を行った

コメント

 2kg以下の小型犬と犬種、この骨折部位という条件は癒合しにくいため、少しずつ固定強度の減弱を行い、癒合を目指した。

内視鏡科 症例

腹腔鏡下避妊手術

症例

6ヶ月齢 シベリアンハスキー 16kg 未避妊メス

手術

腹腔鏡下避妊手術(子宮卵巣全摘出手術)

経過

手術後30分頃には起立し動き回る

コメント

腹腔鏡での避妊手術はいわゆる低侵襲手術と言われるもので、ポートと呼ばれるカメラやシーリングデバイスを出し入れする器具を設置して行います。5mmほどの傷口3箇所にて手術を行うため傷口が小さく、術後の痛みも最小限に抑えた手術になります。またカメラを通して臓器を鮮明に確認できるため、安全に行うことができます。設備と術者の経験が重要になりますが、通常の避妊手術と手術時 も大きく変わりません。術後の状態にもよりますが、日帰りが可能な手術になります。

腹腔鏡下避妊手術(猫)

症例

 9ヶ月齢  雑種メス 3.2kg

手術

腹腔鏡下避妊手術(卵巣摘出手術)

コメント

猫においても犬同様に腹腔鏡を用いた避妊手術を行うことができます。メリットは低侵襲で痛みが少ないことなどが挙げられます。傷みが少ない分、麻酔覚醒の様子により当日のお迎えも可能になります。当院では腹腔鏡での手術に熟練した獣医師が数名いるため、腹腔鏡での避妊手術をご希望の場合はご相談ください。

異物除去

症例

ジャックラッセルテリア 3歳 未去勢オス 

稟告

2日前に縄のおもちゃ誤飲。症状無し

治療

内視鏡による異物除去

コメント

胃内異物の場合は内視鏡を用いて取り出すことが可能ですが、異物の大きさや形状によっては胃切開が必要になる可能性もあります。

胃固定術

症例

シェパード  1歳 未去勢オス  体重30.5kg

術式

腹腔鏡補助下予防的胃固定術

コメント

大型犬では胸郭の深さなどが影響し、急性に胃捻転を起こすことがしばしばあります。そのため、捻転の防止として予防的胃固定術を行うことがあります。通常の開腹手術では大型犬の場合少なくとも15cm程度は切開が必要ですが、腹腔鏡を用いることにより、5-10mmの傷口が1箇所(カメラ挿入用)と5cm程の傷口の計2箇所で実施でき、痛みが少なく低侵襲にて行うことができます。本症例も術後3時間後には動き回って吠える様子が見られました。

腹腔鏡下肝生検

症例

10歳 Mix犬 5.0kg 去勢オス

各種検査

超音波検査、レントゲン検査により小肝を認める。血液検査にて肝酵素(ALT、ALP、GGT)の軽度上昇を認める。

診断

CT検査及び腹腔鏡下肝生検を実施 → 慢性活動性門脈肝炎

治療

プレドニゾロン、ウルソデオキシコール酸、メトロニダゾール、BCAA製剤etc…

コメント

慢性経過をたどる 酵素の上昇時には、肝生検による診断が望ましいとされています。開腹手術における肝生検は傷口が大きく、侵襲度合いが強いですが、腹腔鏡を用いた肝生検では、3−5mmの傷口2箇所にて実施可能になります。肝生検の前にはCT検査も合わせて行うことが理想的です。

鼻咽頭狭窄

症例

6歳4ヶ月 雑種猫 避妊雌 3.5kg

主訴

半年前から呼吸音の異常、鼻づまり、いびきが治らない

診断

鼻咽頭狭窄

治療・経過

鼻咽頭の狭窄部位に対し、バルーン拡張術を実施。
2週間ほど症状の改善が認められ、以降少しずつ悪くなることから、現在2~3週間に一度バルーン拡張術を実施。

コメント

鼻咽頭狭窄はCTなどの高度な画像検査でないと確定診断が難しい疾患です。原因がわからず、内科治療にも反応しないため、不安を抱えて相談に来られた結果判明するケースも多いです。バルーン拡張をすることで症状の緩和が認められますが、定期的に処置をする必要があります。徐々に処置間を延ばしていって、維持可能な頻度を見つけていきます。

副腎腫瘍

症例

12歳、避妊メス、ラブラドール・レトリバー

診断・検査

超音波検査、CT検査にて左副腎に腫瘤(2㎝)を認める

手術

腹腔鏡下副腎腫瘤摘出手術

診断

副腎(重度の鬱血と血栓形成、結節性過形成 )

コメント

副腎は腹腔内でも深いところに位置しており、開腹下での手術は大きな切開が必要になります。副腎の腹腔鏡手術は、傷も小さくまた細かいところもよく見えるため出血のリスクも低く行うことが可能です。もちろん術後の回復も早いため、本症例は術後2日で退院しました。

CT 症例

肝臓腫瘍

症例

12歳、未去勢オス、ミニチュア・ダックスフント

主訴

元気食欲低下、痩せてきた、他院にて腹腔内腫瘤を指摘される

撮影方法

麻酔下3相造影CT

診断

肝臓外側左葉の巨大腫瘤(手術にて肝細胞癌と診断される)

コメント

腫瘤は巨大で、かつ腫瘤内の造影剤の染まり方が不均一であったため悪性腫瘍の可能性が高いと判断しました。ただし、周囲の血管や臓器への癒着を示唆する所見が認められなかったため手術適応と診断しました。

鼻腔腺癌

症例

11歳、未去勢オス、ボーダーコリー

主訴

鼻血、くしゃみ、鼻詰まり

撮影方法

麻酔下造影CT

診断

鼻腔内悪性腫瘍を疑う(病理組織学的検査にて鼻腔腺癌と診断される)

コメント

左鼻腔内を占拠する血流豊富な腫瘤が認められており、腫瘤は鼻中隔を越えて浸潤し、眼窩骨の骨破壊も認められました。腫瘤が骨を破壊し浸潤していく所見は悪性腫瘍でよく認められるものですが、本症例のように進行していても強い症状があまり認められないこともしばしばあります。CTを撮ることで、放射線治療の適応や計画、今後どのように進行していくかの予測などが可能になります。

門脈体循環シャント

症例

2歳、未避妊メス、トイプードル

主訴

発作症状、発育不良

撮影方法

麻酔下造影CT

診断

先天性左胃静脈経由奇静脈門脈体循環シャント

コメント

門脈(腸で吸収された栄養素などを多く含んでいる血液が流れる)は、通常全てが肝臓に流入するのですが、先天的な血管異常(シャント血管)により全身をめぐる静脈とつながるのが門脈体循環シャントです。本症例は血管のつながりがある程度大きめであったにもかかわらず、肝臓内の門脈の発達が認められていたので、手術適応と診断しました。

軟部外科 症例

胃捻転

症例

土佐犬 6歳 38kg 避妊メス

症状

元気消失、嘔吐

診断

レントゲン検査にて胃拡張及びピラーサインを める。また、超音波検査にて脾門部の血流消失を認め、胃捻転を疑う。

処置・経過

開腹下胃捻転整復手術及び胃固定術(脾臓は整復後に血流回復したため温存)
術後も経過は安定しており、2日目にはしっかりとした食欲と歩行を認める。

経過

胃捻転は、大型犬で起こりやすく、発症の際は命の危険度がとても高い状態であることが多いです。また、手術後もDIC(播種性血管内凝固症候群)や不整脈などに注意が必要です。これらを予防するために、若い頃に予防的胃固定手術をする機会も増えてきており、当院でも低侵襲にて行うことができるためご希望の際はご相談ください。(腹腔鏡項目参照)

門脈シャント

症例

トイプードル 2歳 体重1.8kg

症状

症状なし。血液検査にて低BUN、低Alb、高NH3、高TBAの指摘を受け紹介受診

診断

食事負荷試験及びCT検査→左胃静脈-奇静脈シャント

手術

術中シャント血管の仮結紮時に門脈高血圧(30mmHg)を認めたため結紮糸を用いた。
部分結紮( 門脈圧:12mmHg)の実施。

経過

部分結紮より3ヶ月後、CT検査の後に完全結紮の実施。肝内門脈枝の発達も十分であった。術後は、血液検査、一般状態含めて異常なし。現在も良好に経過を過ごしている。

会陰ヘルニア

症例

雑種犬 8歳9ヶ月 未去勢オス  13kg

症状

排便時のしぶり、便が細い

診断

直腸内診・画像診断より会陰ヘルニアを疑う

治療

去勢手術・結腸固定術・会陰ヘルニア整復術 ポリプロピレンメッシュ使用 

経過

術後3日目より良好な排便を認める。その後も再発なく良好に経過。
会陰ヘルニアでは、未去勢雄で発生が多く、同時に去勢手術を行ったり、肛門の尾側への変位が強い場合には結腸固定を行う場合があります。その他にも精管固定など、ヘルニア整復には様々な手術手技がありますが、その症例ごとに合わせて治療プランを考えていきます。

避妊手術(開腹) 

症例

9ヶ月齢、メス、雑種犬、4.9kg

術式

子宮卵巣摘出術

術後フォロー

3日後に傷口の確認を行い、10日後に抜糸を行う。

コメント

もともとは望まない妊娠を予防するために避妊手術を行っていた。近年は女性ホルモンに 係した病気(子宮蓄膿症、卵巣・子宮の腫瘍など)の予防や治療のために行われる事も多い。また、乳腺腫瘍の発生率は早期に避妊手術を行う事で低下すると言われている。本院の避妊手術は血管や子宮頚の結紮のために糸で行う方法とシーリングデバイスを使用する方法があります。シーリングを使用した場合は縫合糸反応性肉芽腫ができる可能性がゼロになります。

去勢手術

症例

4歳、オス、ミニチュアダックスフンド、9.5kg

術式

精巣摘出術

術後フォロー

3日後に傷口の確認を行い、10日後に抜糸を行う。

コメント

もともとは望まない妊娠を予防するために去勢手術を行っていた。近年は男性ホルモンに関係した病気(前立腺肥大、会陰ヘルニア、肛門周囲腺腫など)の予防や治療のために行われる事も多くなってきた。
本院の去勢手術は血管や精管の結紮のために糸で行う方法とシーリングデバイスを使用する方法があります。シーリングを使用した場合は縫合糸反応性肉芽腫ができる可能性がゼロになります。

腎・泌尿器科 症例

尿道閉塞

症例

ペキニーズ 12歳 去勢オス  7.2kg

症状

今朝から排尿できていない

診断

結石による尿閉塞

処置

カテーテルを用いた水圧推進法により膀胱内に結石を戻した後に膀胱結石摘出手術

経過

膀胱結石手術後以降は排尿問題なし。結石分析によりシュウ酸カルシウム結石であった。現在は、再発がないか定期的に数ヶ月に一度、超音波検診を行なっている。

会陰尿道瘻

症例

雑種猫 去勢オス  体重3.9kg

症状

排尿姿勢とるが排尿無し。元気食欲低下

診断

尿道栓及び自舐による尿道閉塞

治療

会陰尿道瘻造瘻手術

経過

術後4-5日目安に尿道カテーテルを設置。抜去後は排尿問題なく良好に経過。
雄猫は雌猫に比べて尿道が細く、結石や炎症産物が詰まってしまうことがあります。また、カテーテルにて閉塞解除を行うことができた症例でも繰り返し閉塞が起こる場合では、本手術を実施することがあります。おしっこが出ないという症状は雄猫では要注意です。

呼吸・循環器科 症例

肺動脈狭窄症

症例

フレンチブルドッグ、4ヶ月齢、5.6kg、 オス

状態

幼少期からの心雑音(Levine Ⅲ/VI)症状なし

検査・診断

心臓超音波検査
肺動脈狭窄(弁口部)

治療

肺動脈バルーン弁拡張手術(カテーテル手術)

経過

手術前は圧格差130mmHgを認める重度肺高血圧であったが、バルーン拡張手術後は圧格差49mmHgまで低下を認めた。現在は体格体重含めた成長度合いや症状や肺高血圧の進行もなく良好に経過中。今後、時間経過と共に肺高血圧の進行を めないか定期的に超音波検査にて検診中。

誤嚥性肺炎

症例

14歳6ヶ月 ミニチュアダックスフンド 避妊メス  7.2kg

主訴

一昨日からえずく、白い泡を吐く

診断

誤嚥性肺炎(巨大食道症による吐出から)

治療・経過

呼吸状態の安定化のために酸素室にて、抗生剤、ブレンダ(白血球遊走抑制作用)、制吐剤を投与。
1週間かけて次第に呼吸状態と肺野の改善が認められる。
巨大食道症に対する治療を並行して行い、肺炎の再発防止に努めた。

コメント

誤嚥性肺炎は食べ物や唾液、嘔吐物などと一緒に細菌を気管内に誤嚥してしまうことによって起こる肺炎です。肺炎を抑えるのと同時に、誤嚥してしまった原因についてケアしていくことが重要です。肺炎は抗生剤の投与によって治療していきますが、基本的には自分の免疫力が細菌を排除することが重要になるため、改善には時間がかかります。早期に治療が開始できた場合、改善することが多い疾患のため、呼吸異常に気づいた際は早めの診察をお願いいたします。

気管虚脱

症例

7歳10ヶ月 トイ・プードル メス 3.7kg

主訴

以前からのご飯を食べた後によくむせて咳き込む
ここ数日特に酷くなり、何もなくても夜間に咳き込む

診断

頚部気管虚脱(呼気時により顕著)

治療・経過

繰り返す咳によって気管に炎症が起き、より広がりにくい状態になっている可能性が高いため、ステロイドによる治療を開始。
1週間後には咳は7割減少、徐々にステロイドを漸減していき、現在はひどい時のみの投薬で良好。

コメント

気管虚脱は小型犬に多い疾患で、従来確定診断を得るためには透視のレントゲンや気管支鏡が必要となります。
ただし、これらは特殊なシステムや麻酔が必要となるため、呼吸音や咳のタイミング、聴診やレントゲン検査から診断を詰めていくことが多いです。レントゲン検査は気管の動的な変化を見る必要があるため、吸気時、呼気時の撮影が必 となります。治療計画としては、まず内科治療を進め、改善がない場合は外科手術を検討します。現在、当院での手術は行なっていませんが、必要があれば専門病院への紹介も可能ですので、是非ご相談ください。

僧帽弁閉鎖不全症

症例

12歳 チワワ 去勢オス  5.0kg

主訴

咳が出る、最近疲れやすい

診断

僧帽弁閉鎖不全症 ACVIM Stage B2による心拡大および気管圧迫による発咳

治療・経過

ピモベンダン、RAS抑制 の投薬を開始。
1ヶ月後に再度心エコー検査を実施、悪化がないこと、咳の減少を確認し、以降小康状態が続いたため、現在3ヶ月に1度のエコー検診を行なっている。
僧帽弁閉鎖不全症は犬で最も多い循環器疾患です。加齢とともに弁の変性が起こり、閉鎖時に隙間ができてしまうことで、従来一方通行であるはずの心臓内の血流に逆流が生じてしまう病気です。初期は症状が出ないことが多いですが、進行すると循環動態に影響を及ぼし、呼吸障害やチアノーゼなど、重篤な症状を示すことがあります。心臓の変化は不可逆的であり、一度悪くなると元には戻りません。健康診断で発見されることも多く、症状が出てから見つかるよりも治療が早く行えるため、より良い予後が期待できるので、7歳を超えたら半年に1回を目安に健康診断をお勧めします。

肺水腫

症例

13歳 チワワ 去勢オス  4.5kg

主訴

昨夜からの呼吸促迫、食欲不振

診断

僧帽弁閉鎖不全症による心原性肺水腫

治療・経過

心臓の拍出量を増加させ循環改善を行うためにドブタミン(循環改善薬)とベトメディン(強心薬)を投与し、肺や心臓の負荷を軽減させるために利尿薬の投与を実施、呼吸の安定化のために酸素室で過ごす治療開始から日に日に呼吸の改善が見られ、治療から3日後に酸素室から出て、その翌日に退院。その後は自宅での心臓薬の服用を開始。
心原性肺水腫とは心臓病の悪化から肺血管がうっ滞し、その結果肺胞内へ液体が浸出することで肺胞がうまく広がらず、酸素交換ができなくなってしまう状態です。水に溺れたような苦しさが襲い、呼吸障害だけでなく、強い恐怖感を感じると言われています。もともと心臓病の治療を行なっていた子でも、心臓病と診断を受けたことがない子でも肺水腫は起こり得ます。迅速に処置を行わなければ命の危険性が非常に高い疾患であるため、呼吸状態の異変を見つけた場合は早めの診察がより良い予後に繋がります。また、心臓病と診断を受けている場合、無症状のまま悪化していることも多いため、定期的な検診がとても重要です。

生殖器科 症例

帝王切開(緊急帝王切開)

症例

柴犬 2歳 5.6kg

状態

昼からいきむが生まれる気配がない。苦しそう。

診断

超音波検査にて胎子心拍の低下を認めるため、予定より3−4日早いが帝王切開を実施

経過

母子共に良好に覚醒。母乳を飲む様子も見られた。

コメント

犬においても、人と同様に自然分娩、 画的帝王切 、緊急帝王切開が行われます。
これらは、犬種や胎子の大きさ、母子の状態により選択されます。初産の場合や飼い主様自身が動物の出産経験がない場合は事前に出産計画についてご相談ください。

子宮蓄膿症(パイオメトラ)

症例

プットブル 5歳 未避妊メス  20.5kg

症状

元気食欲低下、嘔吐、陰部より膿の排出

検査

血液検査(貧血 Hct27%、炎症反応 CRP20mg/dl)、腹部超音波検査

診断

子宮蓄膿症

経過・コメント

術後翌日より元気食欲しっかりあり。その後も問題なく経過。
子宮蓄膿症は子宮に細菌感染を伴うことで発症します。症状は様々で、元気食欲が低下する程度の比較的軽傷例の場合や、敗血症・多臓器不全などを伴う重症例の場合も少なくありません。そのため、妊娠を望まない場合であれば若い頃に避妊手術を行うことが推奨されます。

腹腔内陰睾

症例

6ヶ月、未去勢オス、ボーダーコリー、18kg

主訴

睾丸が1つしかない。特に臨床症状はなし。

診断

麻酔下でのCT検査にて、片側腹腔内陰睾を確認

治療・経過

開腹下での去勢手術を実施し、腹腔内陰睾の摘出を行った。

コメント

腹腔内陰睾とは、通常だと陰嚢内に移動する精巣が腹腔内に残った状態です。潜在精巣は将来的に精巣腫瘍になる可能性が高いです。 腹手術あるいは腹腔鏡手術での摘出が必要です。

避妊手術(開腹) 

症例

9ヶ月齢、メス、雑種犬、4.9kg

術式

子宮卵巣摘出術

術後フォロー

3日後に傷口の確認を行い、10日後に抜糸を行う。

コメント

もともとは望まない妊娠を予防するために避妊手術を行っていた。近年は女性ホルモンに 係した病気(子宮蓄膿症、卵巣・子宮の腫瘍など)の予防や治療のために行われる事も多い。また、乳腺腫瘍の発生率は早期に避妊手術を行う事で低下すると言われている。本院の避妊手術は血管や子宮頚の結紮のために糸で行う方法とシーリングデバイスを使用する方法があります。シーリングを使用した場合は縫合糸反応性肉芽腫ができる可能性がゼロになります。

去勢手術

症例

4歳、オス、ミニチュアダックスフンド、9.5kg

術式

精巣摘出術

術後フォロー

3日後に傷口の確認を行い、10日後に抜糸を行う。

コメント

もともとは望まない妊娠を予防するために去勢手術を行っていた。近年は男性ホルモンに関係した病気(前立腺肥大、会陰ヘルニア、肛門周囲腺腫など)の予防や治療のために行われる事も多くなってきた。
本院の去勢手術は血管や精管の結紮のために糸で行う方法とシーリングデバイスを使用する方法があります。シーリングを使用した場合は縫合糸反応性肉芽腫ができる可能性がゼロになります。

腹腔鏡下避妊手術

症例

6ヶ月齢 シベリアンハスキー 16kg 未避妊メス

手術

腹腔鏡下避妊手術(子宮卵巣全摘出手術)

経過

手術後30分頃には起立し動き回る

コメント

腹腔鏡での避妊手術はいわゆる低侵襲手術と言われるもので、ポートと呼ばれるカメラやシーリングデバイスを出し入れする器具を設置して行います。5mmほどの傷口3箇所にて手術を行うため傷口が小さく、術後の痛みも最小限に抑えた手術になります。またカメラを通して臓器を鮮明に確認できるため、安全に行うことができます。設備と術者の経験が重要になりますが、通常の避妊手術と手術時 も大きく変わりません。術後の状態にもよりますが、日帰りが可能な手術になります。

腹腔鏡下避妊手術(猫)

症例

 9ヶ月齢  雑種メス 3.2kg

手術

腹腔鏡下避妊手術(卵巣摘出手術)

コメント

猫においても犬同様に腹腔鏡を用いた避妊手術を行うことができます。メリットは低侵襲で痛みが少ないことなどが挙げられます。傷みが少ない分、麻酔覚醒の様子により当日のお迎えも可能になります。当院では腹腔鏡での手術に熟練した獣医師が数名いるため、腹腔鏡での避妊手術をご希望の場合はご相談ください。

脳神経科 症例

胸腰椎椎間板ヘルニア

症例

ミニチュアダックスフント 7歳 去勢オス  6.3kg

症状

後肢不全麻痺。午前中踏ん張れなくなり、午後には立てなくなり両後肢完全麻痺。

診断

神経学的検査、MRI検査により、第12−13胸椎椎間板ヘルニアGⅣと診断。

治療

ミニマムへミラミネクトミー(片側椎弓切除)による減圧と圧迫物質の除去。

経過

術後10日目には歩けるようになり、術後40日目にはほぼ正常歩行、走れるようになりました。

頚椎椎間板ヘルニア

症例

MIX犬 8歳 避妊メス 8.4kg

症状

後ろ足がうまく動かないと思ったら、前足も動かなくなり立てなくなった。痛みが強く鳴いている。

診断

神経学的検査、レントゲン検査、MRI検査により椎間板ヘルニアと診断。

治療・経過

術前、術後ともにオピオイドを使用することにより疼痛緩和し、頚椎に腹側よりアプローチしベントラルスロットを形成、頚椎の減圧と圧迫物質の除去をおこなった。
術後3日で起立可能、術後1週 で歩行可能、術後2週間で走れるようになった。

コメント

頚椎ヘルニアは生命活動を管理する延髄と近いこと、また脊髄神経の腹側には静脈洞が存在することから手術リスクがあるため、容易に手術適応とならないが、手術による劇的な効果が見込める。

水頭症

症例

Mix犬 4ヶ月齢 5.8kg  メス

症状

頻回の発作(全身性発作・部分発作)

診断

MRI検査により水頭症と診断

治療

V-Pシャント手術(紹介先病院において)、抗痙攣薬(フェノバルビタール・臭化カリウム)

コメント

水頭症は脳室内に過剰に脳脊髄液が貯留している状態であり、その結果脳圧が高まり、症状として、攻撃性・沈鬱・旋回運動などの行動異常や、てんかん様発作・斜頸・視力低下などの神経症状など多岐にわたります。軽度の場合では無症状・無治療で生涯を終える場合もありますが、症状を認める場合には、その状態と程度により内科治療・外科治療を選択していきます。

特発性てんかん

症例

1歳1ヶ月 シェルティー オス 10.4kg

主訴

3ヶ月前から寝起きの15分間くらい、歩いてる途中にガクッと力が抜けて崩れるように伏せの体勢になり、その後の15分間くらい意識が朦朧としている。

検査・診断

検査:院内心電図、心エコー、血液検査、レントゲン、全て異常なし
   MRI検査、脳波検査、ホルター心電図は費用面から実施せず
診断(仮):特発性てんかん 鑑別として心 性の失神、ナルコレプシー 

治療・経過

てんかん発作の診断的治療としてレベチラセタム(抗けいれん薬)の投薬を開始。その後症状が出ることはなく落ち着いているため、てんかん発作(脱力発作と欠神発作)であった可能性が高いと考えられる。

コメント

てんかん発作には強直性発作、間代性発作、欠伸発作、脱力発作など複数の発作型があります。このうち、発作と聞いて連想するのは四肢を伸ばして全身が硬直したようになる強直性発作であることが多く、今回のような力が抜けて倒れるような脱力発作や、その後ぼーっとした様子が続く欠神発作は発作であると認識されにくく、診断がつかないことも多いです。動物には珍しい発作型ですが、シェルティーでは脱力発作が多く認められます。確定診断には脳波検査が一番有用で、ホルター心電図で心臓疾患の除外を行うべきですが、特殊な検査となり費用や手間もかかるため、今回のように治療的診断を行う場合も多いです。
検査ができないから診断や治療が全くできない、と諦めることなく、お困りの際はご相談いただければ幸いです。

前庭疾患

症例

9歳2ヶ月 ミニチュアシュナウザー 去勢オス  6.8kg

主訴

首が左に傾く(左捻転斜頸)、水平眼振

検査・診断

血液検査(甲状腺ホルモン含む)、神経学的検査、耳垢検査、すべて異常なし
MRI検査で器質的異常なし
特発性前庭疾患

治療・経過

MRIを撮影する前、数日間プレドニゾロン投与。MRIの後プレドニゾロンを徐々に漸減し、投薬開始から2週間後に投薬終了。服用中、服用後、徐々に症状が緩和していき、3週間後には正常に戻り、以降再発なし。

コメント

前庭疾患とは平衡感覚を司る前庭器官に異常が生じ、首が傾く(斜頸)、眼が揺れる(眼振)、ぐるぐる回る(旋回運動)、ふらつくなどの症状が出てくる疾患のことを指します。原因により中枢性と抹消性に分かれ、そのどちらでもない場合は特発性に分類されます。小脳・橋・延髄に異常がある場合を中枢性、内耳にある三半規管や前庭や前庭神経に異常がある場合を抹消性前庭障害と呼びます。神経疾患に対する画像検査であるMRIで異常がないこと、また耳垢検査で細菌が検出されないことを確 し、その他甲状腺機 低下症などの可能性を否定できた場合、特発性前庭疾患という診断がくだされます。一般的に特発性前庭疾患が寿命に影響を及ぼすことは少なく、自然と良化することも多いです。しかし、こういった前庭疾患の症状から脳神経の異常が見つかることも少なくありません。また、寿命に影響しなくとも、このような症状がある時、二日酔いのような気持ち悪さが襲うと言われています。異常行動があった場合は検査や治療をお勧めします。

消化器内科・外科 症例

胆嚢炎、胆嚢破裂による膵炎、肝炎、胆嚢摘出

症例

13才 ポメラニアン 避妊メス 2.9kg 39.6℃

症状

初診時は食欲低下、活動性低下、発熱で来院。一度は入院内科治療で改善し退院するが、2ヶ月後の再発時、嘔吐、食欲低下、元気消失で再来院。

検査・治療

血液検査、腹部エコー検査。
初診時肝酵素重度上昇(ALT683,ALKP>2000,GGT168↑)、CRPover、黄疸なし、胆泥症、胆嚢炎を確 。内科治療にて一時回復し、肝酵素低下、CRP正常化。治療開始翌日から食欲戻り、嘔吐なしで1週間で退院。2ヶ月後の症状再発時には嘔吐、食欲低下。再度肝酵素上(ALT2619,ALKP1474,GGT143↑)、CRP4.05↑、TBA143.5↑。黄疸なし。エコー検査にて胆嚢破裂の可能性と、腹膜炎、膵炎所見を確認。snap-CPL高値。

初診時:内科的治療:静脈点滴、抗生剤、ブレンダZ、セレニア注射、ラエンネック注射、内服薬で回復
再発時:上記内科的治療+外科的治療(胆嚢摘出術+ 生検)

病理検査結果

胆嚢:細菌感染と濃縮した胆汁(胆泥)の貯留を伴う慢性胆嚢炎
肝臓:軽度の慢性門脈肝炎(非特異的な反応性肝炎)、肝細胞の混濁腫脹/空胞変性(胆嚢疾患や膵炎との関連性が考慮されるとのコメント)

経過

術後2週間でCRP1.05、肝酵素低下。術後20日目にCRP0.25、WBC、肝酵素正常化。その後内服 (ウルソ、スパカール、ヘパアクトリバレインS、プロナミド)と2ヶ月検診(血液検査)で2年間経過良好。

胆嚢粘液嚢腫

症例

ポメラニアン  12歳5ヶ月 未避妊メス  体重4.0kg

症状

昨夕からの元気食欲消失、8回以上の嘔吐

診断

血液検査にて各種 酵素上昇及び、波検査所見より胆嚢粘液嚢腫及び胆嚢破裂を疑う

治療

CT検査後、胆嚢摘出手術及び総胆管洗浄、胆生検

経過

胆嚢摘出後は腹腔洗浄を行い低圧持続吸引ドレーン(J-VACドレーン)を設置。 痛剤や抗生剤を使用し、術後3日目より食欲改善。術後6日目に退院し、その後の経過は問題なし。胆嚢粘液嚢腫は胆嚢内のムチンが増加し、その結果、総胆管へムチンが詰まってしまうと症状が発生します。高齢に伴い胆泥の貯留が認められる症例では、定期的な超音波検査を行い早期発見に努めましょう。

PLE(タンパク漏出性腸症)

症例

11歳、未避妊メス、アメリカン・コッカー・スパニエル

主訴

下痢、腹囲膨満(腹水)

検査・診断

血液検査にて重度のアルブミンの低下、超音波検査にて消化管に異常(ゼブラパターン)
内視鏡検査、病理組織学的検査にて「リンパ管拡張症」と診断

治療

食事療法、投薬(ステロイド、免疫抑制剤など)にて改善し、以降再発なし

コメント

タンパク漏出性腸症は、主に「炎症性腸疾患」、「リンパ腫」、「リンパ管拡張症」を含んだ病態の総称で、これらの疾患は似通った症状を起こすため内視鏡検査などによる鑑別が必要になります。幸い本症例は治療に反応してくれたため予後が良好でしたが、予後不良に陥る症例も少なくなく、早期診断と適切な治療の選択が必要になります。

異物

症例

1歳2ヶ月、去勢オス、ゴールデンレトリバー、31kg

主訴

昨日からの食欲不振と嘔吐。水を飲んでも吐く。

診断

血液検査、腹超音波検査、腹部レントゲン検査を実施した結果、消化管内の異物を疑う。

治療・経過

超音波検査により異物が胃から十二指腸にまで及んでいたため、内視鏡下の確認でも異物除去は難しいと判断し、開腹下で胃・十二指腸内異物の除去を行った。幸い腸の損傷(穿孔、壊死など)は認められず、術後は食欲不振や嘔吐もなく、経過は良好。

コメント

嘔吐の原因は、異物の摂取、消化管や肝臓等の異常、食事性、感染、免疫の異常、腫瘍など様々です。嘔吐後、普段と変わらない様子でいる場合もあれば、繰り返し吐いたり、下痢、発熱、痙攣などの症状を伴う場合もあります。異物による嘔吐は、血液検査に反映されない事が多く、発見が遅くなると損傷が激しく重傷化する事もあります。見つけた段階で適切な対処(手術や内視鏡)を行う必要があります。

麻酔科 症例

周術期の麻酔管理

症例

チワワ 去勢オス  11歳8ヶ月 体重2.6kg

症状・状態

昨夜から赤黒い液体を吐き続ける
元気消失
軽度脱水、貧血(Hct 23% )
腎数値上昇(BUN:71.0、PHOS:13.2)Na/Cl軽度低下

診断

超音波検査、内視鏡検査、CT検査より幽門腫瘤疑い

術前・術中・術後

脱水及び進行性の貧血を認めため、乳酸リンゲルの静脈点滴及び輸血を実施。4−5時間点滴管理を行ったのちに外科手術の実施。
術中は乳酸リンゲル・輸血は継続し疼痛管理としてフェンタニルの持続点滴及びメデトミジンを使用。 腹時にはブピバカインの腹腔内投与を実施。血圧管理においては観血的血圧測定を行い、ドパミンの持続点滴にて管理を行った。術後管理用に尿道カテーテル、低圧持続吸引ドレーン、経胃十二指腸チューブを設置し手術終了とした。
ICU内にて、疼痛管理としてフェンタニルの持続点滴の継続を行った。また血液検査、尿 、尿比重のモニタリングにより貧血及び腎機能の評価を行った。術後は胃の運動性の低下及び胃液の貯留を多く認めたため、胃酸分泌抑制剤、胃腸運動機能亢進剤、制吐剤などを中心に投薬を行った。栄養管理は十二指腸チューブより5日間行ったのちに、経口摂取への切り替えを行った。術後2日目より活動性の上昇を認め、貧血も落ち着き、術後11日目に退院となった。病理検査は潰瘍及び結節性肉芽組織の形成であり、その後も問題なく経過中。

コメント

麻酔科においては、手術中のみでなく、周術期管理として術前及び術後の管理も重要になってきます。一般状態の他、循環・血圧・疼痛などの管理を総合的に行っていきます。PALグループにおいては、麻酔専門医協力のもと遠隔麻酔などの実施も行い、より一層重点的な管理を行っております。

呼吸器疾患の麻酔

症例

トイプードル

処置内容

膝蓋骨内方脱臼整復手術及び歯石除去

既往歴・症状・術前検査

3週前に由来不明のCRP上昇(7.0mg/dl)を認めるが消炎剤にて正常化。1ヶ月前よりごくたまに発咳
軽度大動脈弁逆流症、手術当日CRP0.1mg/dl、それ以外問題なし

麻酔

プロポフォールをto effectにて鎮静後、メデトミジン、フェンタニルを投与。その後、プロポフォールの追加投与を行い気管挿管を行なった。挿管後に時折腹式様の自発呼吸が散見された。手術中も時折自発呼吸が見られ、呼吸様式が安定しなかったものの、SP02に関しては問題なかった。先に行った膝蓋骨内方脱臼整復手術は吸入麻酔、フェンタニル、メデトミジン、大腿神経ブロック、坐骨神経ブロック等により疼痛、血圧共に良好に推移した。その後も呼吸状態が落ち着かないため、歯科処置前にCT検査を行ったところ、肺の間質パターンが認めれた。歯科処置後、覚醒に向け自発呼吸が見られた段階で、酸素の離脱を行った。呼気時の努力呼吸は認められるものの、SPO2や舌色に問題はなかった。その後は伏臥位にて自力でのヘッドアップができた段階で抜管を行い、酸素室にて経過観察を行った。

コメント

今回、手術前検査では事前に分からなかった間質性肺炎が術中CT検査により つかった。結果的には周術期を通して問題はなかったが、麻酔中の呼吸の不安定さに通ずる所の発見という形であった。日頃より発咳を認める症例はレントゲン検査で明らかな病変が見られなかった場合であっても、麻酔中は人工呼吸により問題ないが、術後の呼吸状態に影響する場合が多いため、注意して管理する必要性がある。

糖尿病の麻酔

症例

16歳 パピヨン 避妊メス  4.4kg

処置内容

脾臓腫瘍に対するCT検査(造影剤使用)と脾臓摘出手術

術前検査

基礎疾患として糖尿病があるため、高血糖(653)を確認
その他は異常なし

麻酔

高血糖状態が続くと、感染リスクの増大、循環血漿量の低下、頭蓋内圧の上昇などの有害作用が起こる可能性があるため、過度な高血糖に注意し、また低血糖であっても昏睡を引き起こすことがあるため、血糖値に注意しながら麻酔管理を行なった。本来、麻酔前には絶食指示をするが、血糖コントロールのため、リキッドフードとインスリン投与の指示を出し、麻酔前に静脈内投与のレギュラーインスリンにて血糖値を383に落としてから麻酔をかけ手術を遂行した。術中の目標血糖値は200~300であったが、症例は以前から高血糖の状態でも体重・食欲の維持ができており、従来よりも高いラインで血糖値を維持していたため、300台まで落とすことを目標として術前の血糖コントロールを行なった。手術侵襲によるカテコラミンやストレスホルモンの放出などにより血糖上昇が予想されるため、極力痛みを緩和するべく、フェンニタニルの持続点滴を実施した。術中・術後ともに痛みを示唆する変化は見られず、術後は血糖値144と、高血糖状態には陥らなかったものの、本来の症例の血糖値よりも低値であったため、低血糖症状には十分注意し術後管理を行なった。その後、血糖値の下降傾向は見られず、翌日629に再上昇していたため、都度インスリン単位を調整しながら、再び維持量を決定していった。その後周術期に大きな異常は見られなかった。

コメント

麻酔をかけると循環抑制がかかったり、体力が奪われ免疫力が落ちることで感染に弱くなったり、様々な有害事象が起きる可能性が出てきます。糖尿病患 では麻酔をかけていない 通常状態であっても、 血糖による浸透圧利尿からの循環血漿量の減少や頭蓋内圧の上昇、易感染性などを起こす可能性があり、ここに加えて麻酔や手術の侵襲が加わると有害作用を倍増させてしまう危険性があります。そのため、周術期の血糖コントロールには細心の注意を払って行いました。通常よりも入院期間の延長が予想されますが、周術期管理を万全の体制で行うために必要な期間となります。糖尿病があるから麻酔をかけられない、と諦める方もいらっしゃいますが、歯周病など他の疾患が体のストレス要因となり、血糖コントロールを困難にしている可能性もあり、歯の処置後、コントロールがうまくいくようになることもあります。緊急手術が必要な場合もあるため、糖尿病患者に対してもより良い麻酔管理ができるよう努めています。

心疾患の麻酔

症例

14歳9ヶ月 チワワ 1.7kg(BCS2)避妊メス

症状

約1ヶ月前より元気食欲低下、時折の嘔吐、震え(腹痛)

診断・術前検査

腹腔内巨大腫瘍(腎臓腫瘍)
僧帽弁閉鎖不全症(ACVIM:StageB2)LA/AO=1.96 E波=88.5cm/s

治療

外科手術計画の前に、心臓は今まで無治療であったため内服薬(ピモベンダン)の服用を開始(2週間)した。その後CT検査、腎臓腫瘍摘出手術を実施した。術中は輸液・強心薬 、昇圧剤、鎮痛薬を使用し良好にコントロール可能であった。術後も強心薬と鎮痛薬を随時使用して3日目には食欲回復が見られ、術後1週間にて退院した。術後3ヶ月後には体重2.2kg(BCS3)まで増加し、その後も心臓薬を服用し一般状態は良好であった。

コメント

高齢かつ心臓が悪い場合でも、病態の治療により症状の緩和が望める場合には当院ではインフォームドをしっかり行った上で全身麻酔・外科手術を行なっております。麻酔が心配という方はまずは一度ご相談ください。

口腔外科 症例

血液内科 症例

急性骨髄急性白血病

症例

13歳、去勢オス、雑種猫

主訴

1ヶ月前からの重度の非再生性貧血

検査・診断

骨髄塗沫、骨髄コア生検、遺伝子検査にて「リンパ腫もしくは急性リンパ急性白血病による骨髄瘻」と診断される。

治療

輸血を4回行う、抗がん剤を使用

コメント

急性白血病は非常に予後が悪い疾患で、抗がん剤が効かないケースが殆どです。残念ながら骨髄移植については獣医療の方では非常に難しく、輸血などの緩和治療を行って少しでも楽に過ごしていけるように治療をおこなっています。

バベシア症

症例

4歳、未去勢オス、ポメラニアン

主訴

嘔吐、下痢、ふらつき、血尿 血色素尿 

検査・診断

貧血(中程度)、血小板減少(重度)、自己凝集 、CRPの上昇、血液塗沫にてバベシア虫体(+)→バベシア症と診断

治療

駆虫薬の投与にて改善

コメント

バベシア症は、マダニが媒介するバベシア原虫が犬の赤血球に寄生をすることで発症する病気で、重度の貧血や血小板の減少を引き起こします。場合によっては死にいたる怖い病気です。治療法としては駆虫薬の投与を行いますが、症例の状態によっては輸血やステロイドの投与など病態に即した治療が必要になる場合も多く経験されます。

真性多血症

症例

7歳、避妊メス、パピヨン、3. kg

主訴

健康診断にて多血(ヘマトクリット値67%)を認める

診断

血液検査 エリスロポエチン濃度 、超音波検査
骨髄検査にて診断

治療・経過

投薬(ハイドロキシウレア)によるコントロールと瀉血にて
経過良好(5年以上経過)

コメント

真性多血症とは骨髄で赤血球が過剰に作られる疾患で、過粘稠度症
候群におちいると、発作や出血傾向(鼻出血など)、多飲多尿など
の症状が現れます。治療は定期的な瀉血(血を抜く)と投薬にて血
液の濃度をコントロールしていきます。

再生医療 症例

疼痛管理

症例

10歳、避妊メス、ボストンテリア

主訴

腰の痛み、呼吸促迫

検査・診断

レントゲン検査にて胸腰椎、肋骨の重度の変形を認める。

治療

元々、他院にて蛋白漏出性腸症を診断されステロイドを処方されており、また、他の痛み止め(トラマドール)を処方されていたため、疼痛管理を目的とした「細胞培養上清液」の治療を行なった。

コメント

本症例は、元々変形性の疾患を抱えていることが分かっていたが、鎮痛剤やステロイドの処方はされており、また、ステロイドの副作用で呼吸が悪くなっていたため、再生医療分野の治療を選択した。結果、疼痛管理が可能になり同時にステロイドの減薬ができ、呼吸状態も改善できた。

慢性腎臓病のケア

症例

18歳、避妊メス、 種猫、2.4 kg

主訴

活動性・毛ヅヤの低下

診断

慢性腎臓病(IRIS ステージ3)

治療・経過

細 培養上清を皮下点滴と共に週に1回皮下注射することで、活動性の上昇、毛ヅヤの改善が見られた。

コメント

慢性腎臓病は猫で最も多い疾患です。初期段階では症状に現れないことも多く、重症化してから見つかるケースもあります。一度腎臓病を患うと完治することはありませんが、細胞培養上清によって症状の改善が期待できます。食事療法などと並行して行うことをお勧めします。