パル日記

2016.03.06

テフロン(フッ素コーティング)フライパンを使う方へのご注意(>_

勉強会にて、病理の田邊先生から『犬のテフロン中毒の肺の病理組織』の報告を頂きましたのでご紹介します。

テフロン加工フライパンはいわゆる『くっつかないフライパン』です

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(他院で闘病された患者さんです)飼い主さんは一人暮らし。
フライパンを火にかけたままで出かけて、火事にはならなかったけれどもお留守番していたダックスちゃんが熱せられたフライパンから発生したテフロンの有毒ガスにより肺がやられてしまい、治療の甲斐なく亡くなられたという報告でした(>_<)

病理組織をみせていただくと、普通たくさん空気を含んでいる肺の組織がつぶれてほぼ無くなって、ピンクと紫の炎症細胞に置き換わってます。この肺では呼吸することがほぼできず、さぞかし苦しかったことでしょう。

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参考までに、正常な肺は下の画像の左側。空気をたっぷり含むために白く大きな隙間があるのがお分かりかと思います(ちなみに右は猫のフィラリアに感染して炎症を起こした肺です)

肺

 

 

テフロン中毒は、とくに鳥を飼っている方々の間では有名な中毒です。
通常の使用では有毒ガスは発生しませんが、今回のように火にかけっぱなしで約350℃を超えると肺に重篤なダメージを引き起こす有毒ガスを発生させるそうです。

(ちなみに鳥さんはもっと低い温度(202℃)でも亡くなることがあるそうです。コンロの自動消火センサーが200~250℃設定が多いので、わたしもついうっかり鍋を火にかけすぎて消火された経験があります。この温度までうっかり加熱してしまう機会はそんなにまれなことではないですね)
人間での中毒症状も報告されています。
皆様もついうっかりフライパン コンロかけっぱなしには、くれぐれもお気を付け下さい。

フルフル